HAMASAI 23th観戦記事 文:けんつよ 編:HAMA研の主水 |
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準々決勝 |
逆 vs Ito |
準決勝 |
kyan vs analogeryuta |
決勝 |
逆 VS Kyan |
準々決勝 逆 vs Ito | |||||||||||
極論すると、競技マジックにおいてデッキは2つに分類できる。 それはメタられる側とそれをメタる側の2種類のデッキだ。 後者を選択した2人がトップ8まで勝ち残った。 ナヤグッドスタッフの逆と緑単信心タッチ赤黒エンチャントレスのIto。 両者とも独自のチューンアップが施されたデッキで勝負に臨む。 果たして準決勝へ勝ち上がるのはどちらか。 |
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Game 1 | |||||||||||
ダイスロールに勝ったItoが先手を選択。 1ターン目は占術地形スタートし、《森の女人像/Sylvan Caryatid》から《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》と最高の立ち上がりを見せるItoに対し、ショックランドタップイン→占術土地でドローゴーの立ち上がりとなった逆。 Itoは更に《ドムリ・ラーデ/Domri Rade》をプレイし、デッキの肝と言える《クルフィックスの狩猟者》とのエンジンが回転を始める。 しかし、逆も手遅れになる前にとターンエンドに《セレズニアの魔除け/Selesnya Charm》で2/2の騎士トークンを呼び出すとメインボードから投入されている《ひるまぬ勇気/Unflinching Courage》を纏わせ、《ドムリ・ラーデ》を討ち取る。 負けじとItoは《森の女人像》と《クルフィックスの狩猟者》のそれぞれ2体目を盤面に追加してこれに応じ、防御網を固めていく。 すると、ここまで赤マナソースを欠いていた逆が《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》を引きこんで《肉体+血流/Flesh+Blood》を《血流/Blood》側でプレイ、ひとまず《クルフィックスの狩猟者》の1体を破壊しつつ4点ゲインしてライフを30点まで引き上げる。 しかし次ターン、Itoの手札から飛び出したのは何と《女王スズメバチ/Hornet Queen》。 接死クリーチャーの群れを前に沈黙せざるを得ない逆に対し、Itoは追い討ちの《ドムリ・ラーデ》を再投入し-2能力を使用。 4/4となった騎士トークンを除去しようとするも、流石にそれはまずいと《アジャニの存在/Ajani's Presence》で回避される。 それならば、とItoが《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》を戦場へ送り込むと逆は《ワームの到来/Advent of the Wurm》で抵抗し、盤面の硬直化を図る。 しかし、再び回りだした《クルフィックスの狩猟者》+《ドムリ・ラーデ》エンジンが供給するカードは着実にアドバンテージの差を広げていく。 顕現した《狩猟の神、ナイレア/Nylea, God of the Hunt》こそ《セレズニアの魔除け》で追放するも、根本的な打開策が見つけられないと判断した逆は投了を告げた。 逆 0-1 Ito |
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黙々とサイドボーディングを進める両者だがお互い同じオリジナル要素が強いデッキであるため、どんな呪文が飛び出すかわからず慎重にプランを立てる。 どんな奥の手があるか分からない。 お互いの手にしたブラックボックスの中身は、未だ闇に包まれている。 |
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Game 2 | |||||||||||
GAME1を落とした逆が先手を選び、お互いマリガンは無し。 ファーストアクションは《クルフィックスの狩猟者》への対策であろう《叫び回る亡霊/Keening Apparition》。 この返しに出されたブロッカーは《森の女人像》。ブラフ気味にアタックするが、普通にブロックされ特に何も起こらず。 逆は《鬼斬の聖騎士/Fiendslayer Paladin》を盤面に追加。 《エルフの神秘家/Elvish Mystic》を2体追加してマナブーストをするItoに対し、先程の2体を攻撃に出す逆。 Itoは再び《森の女人像》をブロックに出すが、今度は《叫び回る亡霊》が《セレズニアの魔除け》で+2/+2され、《森の女人像》は一方的に討ち取られる。 そしてItoのアクションが《狩猟の神、ナイレア》を出すだけに留まると、逆はここぞとばかりに《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion》を追加し攻勢に出る。 ライフがそろそろ厳しいと感じたであろうItoは、フルタップで 《起源のハイドラ/Genesis Hydra》をX=4でプレイ。 公開された4枚の内に追加できるパーマネントは残念ながら無し。 しかしこれで《狩猟の神、ナイレア》が顕現し、4/4と6/6の2体がブロッカーとして立つ状態に。 しかし、均衡は崩れる。 次ターン、逆は手勢3体でフルアタックを仕掛けると、ブロッカーをすり抜けた《鬼斬の聖騎士/Fiendslayer Paladin》が《ゴーア族の暴行者/Ghor-Clan Rampager》の湧血によって+4/+4修正され、更にサイドボードから追加されていた《ボロスの魔除け/Boros Charm》で二段攻撃を得る。 一瞬の斬撃がスコアを1-1のタイに戻す。 逆 1-1 Ito |
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Itoは黒マナソースを置いてくるが黒いカードはプレイしていない。 これが気にかかる逆は「(黒マナが)何のためかわかんねー」と呟くとItoは「占術のためだけかもよ」と笑顔で返す。 手札破壊のため? 除去のため? それとも他の何かがそこにはあるのか? 先のゲームは自身が隠した刃で切り捨てたが故に、相手の懐刀の存在が気になるのだろう。 互いに微妙にサイドを変更し、3本目がスタートする。 |
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Game 3 | |||||||||||
互いに7枚の初手をキープ。 《森の女人像》と《叫び回る亡霊》という順番こそ違えども、先程と同じ光景から幕が上がる。 Itoは後続の《ナイレアの信奉者/Nylea's Disciple》を信心=3で戦場へ送り込み、盤面を優位に進めようとする。 だが、逆の次なる一手は今まで姿を見せていなかった《ボロスの反攻者/Boros Reckoner》。 この状況にひとまず《エルフの神秘家》と、これで顕現した《狩猟の神、ナイレア》を追加したItoだか、ここで逆は万能呪文《セレズニアの魔除け》をプレイし、神を駆逐する。 ならば、とItoは次ターン《クルフィックスの狩猟者》をプレイするも、公開されたライブラリートップは《女王スズメバチ》でライフは得られず。 そして当然、既に戦場に出ていた《叫び回る亡霊》が即座にこれを除去。 《ボロスの反攻者》が殴り続ける中、《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》とマナクリーチャーから7マナを確保したItoは先程の《女王スズメバチ》を着地させ、漸く盤面を膠着させることに成功する。 これに対して逆は《肉体+血流/Flesh+Blood》を融合でキャストし、《ボロスの反攻者》を5/5にしつつ5点ダメージをプレイヤーに与えるのみに留まる。 マナ余りと言って良いほど土地が潤沢にも関わらず、ここまでほとんど動きを見せない逆。 不気味に手札に溜め込んでいるのは果たして何か。 それが気にしているItoは追加戦力として《クルフィックスの狩猟者》を戦場に送り込み、万全の防御網を敷いた上で、慎重に《女王スズメバチ》と蜂トークン1体のみを攻撃に送り出し3点のダメージを与える。 そして迎えたターン、溜め込まれた手札が白日に晒される。 戦線の軸がずれているため仕方なくバンザイアタックしてきたと思しき5/5の《ボロスの反攻者》。 これをItoは「万が一があったら恐い」と丁寧にブロック。 そこで逆は「何か(除去が)あったら、ごめんなさいっ」と3枚の手札を叩きつける。 《セレズニアの魔除け》×2と《ボロスの魔除け》によって、9/9二段攻撃トランプルに膨れ上がる《ボロスの反攻者》。 果たしてItoの手札に回答策はなく、一瞬で勝負は決まった。 逆 2-1 Ito 逆 準決勝進出! |
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逆
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Ito
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準決勝 kyan vs analogeryuta | |||||||||||
その昔、とある有名プレイヤーが「マジックで最強のカードは?」と聞かれ、「《山》か《島》。」と答えたそうだ。 確かに、いつの時代も《山/Mountain》と《島/Island》は環境の最前線に存在した。 そして今ここでも2つのデッキ、ボロスバーンと青単信心という形で《山》と《島》とが雌雄を決する。 真の最強は果たしてどちらか? 一つの回答がここで示されるのを見守ろう。 |
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Game 1 | |||||||||||
手はanalogeryuta。 kyanは即座にマリガンを宣言。 そして引き直した6枚もマリガンし、漸く5枚でキープ。 analogeryutaは結局7枚の初手をキープした。 ダブルマリガンのハンデを背負ったKyanだが、素晴らしい立ち上がりを見せる。 《審判官の使い魔/Judge's Familiar》から《潮縛りの魔道士/Tidebinder Mage》、《夜帷の死霊/Nightveil Specter》と流れるように展開する青単信心の王道パターン。 更に《変わり谷/Mutavault》を追加しての《夜帷の死霊》の2号機まで。 これに対して、analogeryutaは《ショック/Shock》、《変わり谷》による相打ち、《稲妻の一撃/Lightning Strike》、《かき立てる炎/Stoke the Flames》と1対1での対応を余儀なくされる。 《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》でも場にいてくれれば話は別だが、先手でスタートしたにも関わらず防戦一方の形に追い込まれる。 そして追加された《潮縛りの魔道士》へ《灼熱の血/Searing Blood》が撃ち込まれ、これがKyanへ与えた初ダメージとなる。 一度、更地となった戦場。ここまでanalogeryutaは良く捌いている。 しかし次のターン《海の神、タッサ/Thassa, God of the Sea》が着地。 ここからは時間をかけるほど不利になると考えたであろうanalogeryutaは、ターンエンドに《頭蓋割り/Skullcrack》をプレイしバーンモードへの移行を図る。 しかし居座る《海の神、タッサ》の占術能力がKyanに追加戦力を供給し続け、それを許さない。 《雲ヒレの猛禽》から《波使い/Master of Waves》が信心=3で着地し、戦線を整えたKyan。 次ターン、2/3の《雲ヒレの猛禽》と3体のエレメンタルトークンをアタックに出す。 これ対しanalogeryutaはエレメンタルトークン1体に《灼熱の血》を撃ち込むも、Kyanはそれに対応して《急速混成/Rapid Hybridization》をプレイする。 次ターンのアタッカーは減らず、プレイヤーへのダメージも入らない。 最早、なす術なしとanalogeryutaは投了を宣言。 ダブルマリガンをものともせず、大海原から湧き出すクリーチャーの群れが噴煙を上げる火山の鎮火に成功した。 Kyam 1−0 analogeryuta |
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マッチが始まってから、両者の間には必要最低限の会話しかない。 2人の間に張り詰める空気が互いの勝負に対する真剣さをうかがわせる。 淡々とサイドボーディング、そして入念にシャッフル。 無言で相手にデッキを差し出し、ゲームは再開する。 |
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Game 2 | |||||||||||
再び先手のanalogeryutaはマリガン後、やや微妙な表情でキープする。 一方、Kyanはしばしの熟考の後7枚でキープ。 《雲ヒレの猛禽》からの《潮縛りの魔道士》と順調なスタートを切ったKyanに対し、analogeryutaは《潮縛りの魔道士》に対して《稲妻の一撃》を撃ち込んで出鼻を挫く。 それならばと2体目の《潮縛りの魔道士》をキャストするKyan。 土地が1ターン止まっていたanalogeryutaだが、ここで3枚目、しかも必要だった白マナソースを無事引き当てる。 まずは殴ってきた《潮縛りの魔道士》に向けて《灼熱の血》。 これをKyanは《解消/Dissolve》。 そこでanalogeryutaは本命の《神々の憤怒/Anger of the Gods》をプレイし2体とも仕留めることに成功。 更に後続の《波使い/Master of Waves》はサイドボードからの《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks》で対処。 だが、Kyanの攻勢が止まらない。 三度《潮縛りの魔道士》をプレイし、それに飛んできた《稲妻の一撃》を《否認/Negate》。 初手枚数の差を見せつけながら更に《凍結燃焼の奇魔/Frostburn Weird》を戦場に追加。 ライフが厳しくなってきたanalogeryuta。 Kyanがフルタップのタイミングで《戦導者のらせん/Warleader's Helix》を通し、《潮縛りの魔道士》を除去しつつ4点ゲイン。 反撃に転ずるタイミングを窺う。 しかしKyanの勢いがそれを許さない。 次ターン、信心=3の《波使い》が降臨。 いよいよ正念場を迎えたanalogeryuta。 Kyanのフルアタックに対して《かき立てる炎》を撃ち込むも、それが《否認》されると打つ手は無し。 静かに場を畳んだ。 今ここに真の最強カードは《島》という審判が下った。 しかし次も《島》が最強かどうか、それはやってみないとわからない。 最強を決める戦いは続く。 Kyan 2−0 analogeryuta kyan 決勝進出! |
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kyan Deck Name:青単信心
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analogeryuta Deck Name: RW Burn
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決勝 逆 VS Kyan | |||||||||||
「HAMASAIで優勝すれば県内最強」 いつの間にかそう云われるようになったHAMASAIも今回で23回目。 第1回からちょうど10年、第23回の締めくくり、その長かった戦いも遂に決勝戦を残すのみ。 多くの困難を乗り越えた2人のプレインズウォーカーが最後のテーブルへ辿り着き、誰が最強か決定する。 オリジナリティ溢れるナヤグッドスタッフ 対 現環境中心メタの一角、青単信心。 名勝負を期待したい。 |
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Game 1 | |||||||||||
ダイスロールの結果、先手は逆。 お互いにマリガンはなし。 ショックランドをタップインする逆に対し、Kyanはしっかり1ターン目に《雲ヒレの猛禽/Cloudfin Raptor》。 2ターン目、逆は《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion》をプレイして応戦。一歩も引かない構え。 ここでやや考えたKyanが選択したのは《凍結燃焼の奇魔/Frostburn Weird》をプレイ→進化《雲ヒレの猛禽》からの1点アタック。 返しの《羊毛鬣のライオン》アタックはスルーして3点のダメージを受ける。 戦闘終了後、逆は第2メインフェイズに《復活の声/Voice of Resurgence》を追加して終了。 これに対しKyanは3枚目の《島/Island》を置き、《雲ヒレの猛禽》と《潮縛りの魔道士/Tidebinder Mage》を追加し《復活の声》を拘束。 2/3の《雲ヒレの猛禽》と《凍結燃焼の奇魔》で攻撃して3点のダメージを通す。 お互いここまでマナトラブルの様子は見受けられない。 そして、このマッチアップの分水嶺となる4ターン目。 逆は《羊毛鬣のライオン》でアタックし、4マナを立てたままターンを返す。 一方のKyanは3体目の《雲ヒレの猛禽》と《夜帷の死霊/Nightveil Specter》をプレイしてから《潮縛りの魔道士》以外の2体でアタック。 果たしてワームは到来せず、代わりに《セレズニアの魔除け/Selesnya Charm》から生成された騎士トークンが《凍結燃焼の奇魔》をブロックするに留まる。 盤面のクリーチャー数は3体( 内、《復活の声》は塩漬け)対6体となり、ここで逆が長考。 意を決した逆は《羊毛鬣のライオン》と騎士トークンを攻撃に出す。 これが通って5点のダメージ。 逆の残りライフ10に対しKyanが残りライフ9となり、タイトなライフレースに。 ターンが移り、Kyanは慎重に盤面とダメージ数を確認し《夜帷の死霊》を含めた3体をレッドゾーンへ。 (《変わり谷/Mutavault》を含め)4体をブロッカーとして残す。 《夜帷の死霊》がライブラリートップから《鬼斬の聖騎士/Fiendslayer Paladin》を誘拐し、ライフは逆が5対Kyanが9。 次ターン、逆は《ひるまぬ勇気/Unflinching Courage》を 《羊毛鬣のライオン》にエンチャントして再び2体でアタック。 このゲームの行く末を左右するだろう局面にKyanは静かに計算を始める。 そして選択したのは、騎士トークンを2/3の《雲ヒレの猛禽》内1体でブロックし、《羊毛鬣のライオン》を残りの4体でブロックするというもの。 勿論、このアタックの影に何のコンバットトリックも無い筈がない。 逆の手札から(赤)(緑)マナと共にディスカードされる《ゴーア族の暴行者/Ghor-Clan Rampager》が《羊毛鬣のライオン》に+4/+4修正とトランプルを与え、この戦闘の結果は4(《復活の声/Voice of Resurgence》がアクティブになることを考えれば5)体4交換となった。 そして、ここで絆魂により9点ゲインされたライフが果たして後にどう影響するか。 難しい局面が続く中、次にKyanは3枚の手札から《タッサの二叉槍/Bident of Thassa》プレイし6点フルアタックを選択。 ここで《夜帷の死霊》がライブラリトップから《肉体+血流/Flesh+Blood》を奪う。 この状況でこれを抜いたのは値千金。 しかしそれに気を取られたのか、同時に誘発していた《タッサの二叉槍》のドローを忘れたままターンを返してしまう。 次のメインフェイズに入ってからKyanはそれに気付くも、時すでに遅し。 ドローゴーの逆に対しKyanは《夜帷の死霊》のみで攻撃し、今度はしっかりと追加ドロー。 その後《思考を築く者、ジェイス/Jace, Architect of Thought》をプレイ、+1能力起動しエンドを宣言…に対応し逆が《ワームの到来/Advent of the Wurm》をプレイ。 続くターン、逆はコントロールする全てのクリーチャーをレッドゾーンへ。 《思考を築く者、ジェイス》の能力で4/5状態のワームトークンをKyanは仕方なくスルー。 そこへ逆の手札から2枚の《セレズニアの魔除け》が放たれ、8/9へと膨れ上がったワームトークンが長かった1本目に終止符を打つ。 まずは逆が優勝へ王手をかけた。 逆 1−0 Kyan |
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サイドイベントを終えたプレイヤーもギャラリーに加わり、テーブル周りの人垣が一回り大きくなる。 いよいよ正念場、厭がおうにも緊張感が高まる中、2人は淡々とサイドイン・アウトを検討する。 余談だが、サイドボーディング中、ジャッジから2人とももっとプレイを早くするように注意が入る。 負けられない戦いに臨み、プレイもサイドボーディングも慎重になるのは良く判る。 しかし、全てのプレイヤーは、対戦相手が時間制限によって不利にならないよう充分な速度でプレイする責任がある。 限られた時間内でより良い解答を探せること、これがマジックの上達へと確実に繋がる重要な要素であると筆者は考える。 |
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Game 2 | |||||||||||
先手のKyanはワンマリガンで6枚キープ。 逆はノーマリガン。 先手1ターン目《島》からの《雲ヒレの猛禽》。 一見順調なスタートだが、Kyanがプレイした2枚目の土地はデッキに唯一の《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》。 (青)(青)が出ない。 手札の《凍結燃焼の奇魔》がプレイできず、先に出た《雲ヒレの猛禽》が0/1のまま立ち尽くす、苦しい立ち上がり。 そしてドローゴーでターンを返す。 この先の展開に黄信号が点る。 一方、占術土地でライブラリトップを操作しつつ3ターン目にファーストアクションの《羊毛鬣のライオン》をプレイした逆。 Kyanのこの隙を咎めない筈もなく、マナを伸ばしながら2体目の《羊毛鬣のライオン》を追加しビートダウンを開始。 その次のターン、Kyanもようやく3枚目の土地を引き当て《海の神、タッサ/Thassa, God of the Sea》を着地させる。 《海の神、タッサ》が掘り下げるカードに望みを託す。 だが、ここで逆の手札から飛び出す《霧裂きのハイドラ/Mistcutter Hydra》。 青単信心にとっての癌である。 X=4で+1/+1カウンターが4つ乗った《霧裂きのハイドラ》が、2体の《羊毛鬣のライオン》と共に駆ける。 信号は黄から赤に変わった。 ライフが早くも危険水域に達しているKyanは打開策を求め《海の神、タッサ》でライブラリトップを覗き見るがそこに答えはなく、そっとボトムへ送る。 《霧裂きのハイドラ》への回答にはならないが、いずれ開始する反撃を見据えて《凍結燃焼の奇魔》をプレイしてターンを返す。 まだ勝負は終わっていない。 次のターン。 逆は先程と同様、全クリーチャーをレッドゾーンへ。 もちろんKyanもブロッカーを出すが、プロテクション(青)の《霧裂きのハイドラ》はブロックできない。 4点の戦闘ダメージが通り、ライフが3点残される。 しかし逆はターンを返さない。 手札から《肉体+血流》が公開され、《血流》側でのプレイを宣言。対象は《霧裂きのハイドラ》と対戦相手。 4点のダメージが飛び、Kyanに残されたライフが削りきられる。 長かった一日の幕が下ろされた。 逆 2−0 Kyan HAMASAI 23thの覇者は逆! |
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逆
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kyan Deck Name:青単信心
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