今まで幾つものトップテーブルを見てきた。
そのシートは大会のたびに、座っている人も、操るデッキも、場に広がる状況も同じものはなかったけれど、ただ1つだけ共通していることがあった。
「どの卓でも信じられないほどトップデックが吹き荒れる」
それも上の卓に行けば行くほどだ。
状況を覆す1枚を引き当てれば、相手はそれを打ち消す1枚を引き当てる。
ここしかない状況でそれしかないカードがトップに眠る。
「劇的」と呼ぶにふさわしいトップデックが乱れ飛ぶトップテーブルを、今まで何度も目にしてきた。
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そしてその卓に今俺が座っている。
……やれるんじゃないのか?
今日はノッてる。ツイてる。トップテーブルに着くにふさわしいツキの太さを見せていると思う。
デッキの相性。
今までの戦績。
そんなのがどうしたっていうんだ。勝つときは勝つし負けるときは負ける。
そして、
今日は俺が勝つときな気がしてしょうがねえ――!!
攻めたてる白クリーチャー達。
イケる。
けれど落ち着いて。
ただ効率的に殴り殺すことだけを考えて。
順調にダメージを蓄積させていく。
もう一息、あるいは二息といったところ。
敗色濃厚なHPLさんが溜息混じりにドローした。
「あ、引いた」
白、白、んで適当な2マナ。
デッキから引かれたそのカードは、手札に入ることなく直でプレイされる。
って、ちょ、アンタそれメインには1枚しか入ってないんじゃねーのかよ……!
ワラワラしていた白クリーチャー達は全員どばー、と墓地へ流し込まれた。
いや、
まあね、
分かっちゃいたけどさ。
考えないようにしてたんだよ。
トップテーブルに座ってるのは相手もだ、なんていうことにはさあ……。 |