マヅックの話をしよう 第二回 リーダー@HAMA その3 文:主任@HAMA研 |
沖縄マジック史上もっとも謎と混沌に満ちた存在「リーダー山内」。 タダの「山内」が県内で知らぬ者とてない「リーダー」に進化した瞬間を白日の下にさらそうというのが今回の主題だったりしますです、ハイ…。 |
主任: | さて、リーダーの黎明期の話はあらかた聞けたと思うんで、そろそろ本題に入ってもいいかな? |
リーダー: | え、今までのは余興だったの? |
主任: | そう、もう今までのはおつまみみたいなモンですよ。 皆がリーダーに聞きたいことと言えば「あの本名知らないけどリーダーって呼ばれてる有名な人」がなぜ故、そしていつから「リーダー」になったのか? コレですよ。コレを聞きたいと思うのよ。あとは有名な「3体でブロック」とかを本人の口から聞きたいかな。 |
リーダー: | アレはねえ……仕組まれてた。《仕組まれた疫病/Engineered Plague》ですよ。 リーダーになった頃っていうのがバーチャストライカーとか流行ってて学校帰りにはドリームファクトリーっていうゲーセンに通うのが日課だったんだけど。 このドリ−ムファクトリーが略してドリファク、更に略してドファ、最終的にはドになったんだけど… |
主任: | 別にゲーセンの略称の変遷には興味ないから早く話を進めて下さい。 |
リーダー: | あらそう? で、夜までだらだらサッカーしてると仕事終わったけんつよさんとかりょうとかもやってきてダベるっていうコース。 そんな感じのある日ですね、例によってサッカーにコインつぎ込んでたらりょうがやってきて「けんつよさんが呼んでるよ」って。「何かしら」って首かしげながら外にトットットッて出て行ったんだけど… |
主任: | え、何?ゲーセン裏に呼び出されたの?悪そうだ。 |
リーダー: | そう、でトゥットゥットゥッて外に出てって「けんつよさん何ですか?」って聞いたら、 「今度大会があるんだけど君リーダーだから。」って言われて!?って。 テレビだったらそれこそ!?ってテロップが画面いっぱい出てくるような感じ。 急に言われても何のことかさっぱりやんね。「はあ?」って。 で、すでに他の人は全員ウラをあわせてたらしくて、戻ってきたらもう顔合わす人全員僕を「リーダー」って呼ぶのよ。チーム山内誕生の瞬間だね。 |
主任: | 何のことかさっぱりだったんじゃない? |
リーダー: | ん、でも僕、子供のときから地域活動とかでリーダーとかやってたから「ま、いいのかな」と思って… |
主任: | それでよかったのか? |
リーダー: | まあ、リーダーって言ってもそんなタイソウなことやらんでしょ。 肩書きがリーダーでもダーリーでもなんでもいいやと思ったから軽い気持ちで「あ、ハイ」って即答した。 でもなんで大会にリーダーが必要だったのかはよくわかってなかった。 |
主任: | そのときはチーム戦かなんかだったの? |
リーダー: | そう、3on3だった。朝早くてね。会場も那覇で遠かったし。 で、朝早くからみんなで車に乗ってブーンて出かけて。 デッキは前の日の夜に渡されたデッドガイレッド。(※1) 「君ならコレ回せるから」って渡されて「あ、ハイそうですか」って。 それから大学の406号室に勝手に入り込んで調整と称して遊んでたらけんつよさんに「回し方がなってない」とか怒られてスパルタで練習させられた。 |
主任: | チームの残りのメンバーは誰だったの? |
リーダー: | けんつよさんとヒゲ先生。 |
主任: | デッキは? |
リーダー: | ヒゲ先生がメグリムジャー(※2)でけんつよさんは蟹クラフト(※3)だったハズ。 |
ヒゲ先生: | あれは大人げなかったね。 |
主任: | ……なんていうかもう最悪の集団だね。勝つ気丸出し殺す気満々じゃないですか。 でもデッドガイレッドって他の二つに比べるとまだカワイゲがあるね。 |
リーダー: | …多分、僕は勝ち数にカウントされたなかったんじゃないかな(笑) 3人いないと大会に出れないから人数あわせでとか。引き強いってのは認知されてたし。 残りの二人で安定して勝つから、リーダーは強いとこ引いた時は勝ってねって。一応、頑張って勝ったりもした。 あとの二人は人も強ければデッキも強いから割と順当に勝ち進んだ。 |
主任: | じゃ、そのまま決勝まで行っちゃった? |
リーダー: | それが準々決勝くらいまで。 その時の相手が高校生3人組で右から順に「知力、体力、時の運」って並んでた(笑)。 こっちは僕が真ん中で右がヒゲ先生、左がけんつよさんでハイ、スタートって。 で、けんつよさんはブーンって言い出したなあと思ったら秒で勝ってて、ヒゲ先生はペタって《崇拝/Worship》貼られて死んでたりして。 僕の相手はステロイドっぽいデッキで相手に《アルゴスのワーム/Argothian Wurm》出されたのよ。 |
主任: | ちょっと待て、《アルゴスのワーム》ってそれはひょっとして「3体でブロック」の話? |
リーダー: | そう。 序盤はこっちが軽いから《火葬/Incinerate》撃ったり《ジャッカルの仔/Jackal Pup》召喚したり好きなことしてたんだけど、クリーチャーがちょっと除去されて、手札も徐々に芳しくなくなってきて…。 で、1回目は土地をサクって《アルゴスのワーム》をデッキのてっぺんに戻したんだけど、2回目は「山2枚は《火炎破/Fireblast》引いたときのために残しておきたいなあ」と思って場に出るのを許しちゃったのよ。 これがいざ場に出てみるとデカイんだわ。 |
一同: | ハハハハハハハハハ。 |
リーダー: | もう聳え立ってる、聳え立つ6/6。この6という数字……いけない。よろしくない。 |
主任: | …そりゃ赤単じゃダメだろ。それで? |
リーダー: | それで1回アタックしてきてそれは通したんだけど「さすがに6点はキツイなあ」って思って。 そしたらこっちの顔見て相手は調子乗って2回目もアタックしてきたわけ。 そこでもう「ダメだ耐えきれねー、我慢できなーい」ってなって(笑)。 さて、相打ちを取らなきゃいけなくなったんだけど… |
主任: | まあ、当然だよね。 |
リーダー: | 計算してみたんだけど、こっちの生物が《モグの狂信者/Mogg Fanatic》×2と《モグの下働き/Mogg Flunkies》でブロックすると1点と1点と3点、それから《モグの狂信者》飛ばして1点で計6点。 足りた。計算できた。(※4) |
1体は《ボトルのノーム/Bottle Gnomes》だったよ。 | |
主任: | ハハハハハ。それでブロックしたの? |
リーダー: | だってね、まずは5点与えないと話がスタートしないから。 イエーイ3体でブロックって。一安心ですよ。 そうしたらね、相手が「それでいいの?」って感じの顔で。 |
主任: | 一応、確認しておくけどそれはまだスタックルールになる前の話だよね。 リーダーの計算が高尚すぎて相手の人にはちょっと難しかったのかな(笑)。 |
リーダー: | で、いざ解決に入って「じゃあ、お兄さん1点飛ばしちゃうぞ〜」って言ったら相手の人が「ダメ、それは出来ない」っていうのよ。 「え〜なんで出来ないのよ、この人おかしなこと言ってるよ」と思ったから確認とろうとけんつよさんの方をチラッと見たのよ。 そしたらもう「ハア!?何やってんだこの野郎!!」って顔に書いてあった。 |
救えんって感じ? | |
リーダー: | そう。…今聞いたことから考えると《ボトルのノーム》っていうのに非常にアヤシサを感じる。 多分、僕コイツをサイドから入れてるんだよね(笑)なぜか。 |
I君: | 6点殴られても5点殴り返せば勝てるような気がしません?デッドガイレッドなら。 |
リーダー: | それが出来てれば僕、今ごろもっと高みにいるよ(笑)。 |
主任: | まあ、しょうがないよね(笑)。 で、結局リーダーはその試合勝てたの? |
リーダー: | 負けた負けた。チームとしても負けた。 |
ヒゲ先生: | 僕が1本目ターボで《崇拝》貼られて負けて、2本目ブン回って2ターンキル、3本目は《ハルマゲドン/Armageddon》通されてハイ終了。 マジックって4ターンしかないなあって思った。 その時はスイスドローじゃなくて勝ち抜きだったからホントにその場で終了。 |
リーダー: | で、終わってからけんつよさんに二人呼ばれて、ヒゲ先生は「昨日《ブーメラン/Boomerang》入れとけって言っただろ!メグリムジャーなんかほっといても勝つんだから、貼られたら死ぬカードがあるってわかってるんならメインから対策しとけ」ってひとしきり怒られて、それから「リーダーは・…………ハア…。」って |
主任: | けんつよさんももう、つける薬が見つからなかったんだ(笑)。 |
リーダー: | それで帰るかって話しになったときにMさんが「財布なくした」って言い出して…もう全員さんざんな思いで帰ってきた………帰りの車の中、誰も喋らなかった。 |
主任: | ハハハ、めちゃめちゃ後味悪いね。 |
リーダー: | そう、それがリーダーとしてのデビュー戦の顛末。 |
今やチーム山内や無くなってしまいましたが、率いる一兵もいなくともリーダーは今日でもリーダーであり続けています。それだけ愛し愛され祭られる、人徳あふれる素敵な男それがリーダー山内。 |
(※1)デッドガイレッド…テンペストがあった頃に流行した赤単デッキの一つ。 軽い優秀クリーチャーと適度な火力、で速攻し押し切る。 (※2)メグリムジャー…《偏頭痛/Megrim》と《記憶の壺/Memory Jar》で一瞬で相手のライフを削りきるコンボデッキ。 当時は1マナ2マナ圏のお手軽マナブースとがいろいろとあったので本当に速かった。 (※3)蟹クラフト…《カブトガニ/Horseshoe Crab》と《大地の知識/Earthcraft》のコンボで無限マナを生み出す瞬殺デッキ。 これまた非常に速いデッキだった。 (※4)計算できた…結論から言うと全く計算できてません(笑)。 現在のルールだとこの方法で問題なく6/6クリーチャーを殺すことが出来ますが、それは6版から後の話。 この時点ではまだ5版ルールであり、この方法では6/6クリーチャーを殺すことは無理。 しかも6版発売の話すら出ていない時期です。 先取りするにも程があります。 |
続く(執筆中)