HAMA研的初心者向けブードラ講座(4)

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(3)に引き続いて今回は非クリーチャー呪文。
繰り返しになりますが、全くドラフトをやったこと無い人向けですよ。

非クリーチャー呪文にはソーサリー、インスタント、アーティファクト、エンチャント、といろいろあるんですがひっくるめて限定戦で重宝するジャンル分けをして話を進めていきたいと思います。
まずはクリーチャー除去から。


(1) クリーチャー除去
最初の回でも書きましたが、コンボやスペルだけに頼って勝つのが難しい限定戦の主人公は基本的にクリーチャー。
当然、相手が展開してくる脅威も妨害手段もクリーチャーが中心なので、それらに対処できるカードは頼れるナイスガイ。
よってクリーチャー除去は優先してピックすべし、ということになります。
相手がノンクリーチャーデッキを使ってくる可能性は限りなくゼロに近い環境なので、クリーチャー除去がデッキに入っていて腐ることはまずナシ。

さて、構築戦でも《屈辱/Mortify》などの単体除去、《悪魔火/Demonfire》のような火力、《神の怒り/Wrath of God》などの全体除去はよく見かけるのでおなじみですね。
構築と同様に●殺せる対象が広いコストが安い等が強い条件。

《神の怒り》のような大量除去も、相手だけが損する状況でブッ放せば一人だけ大儲け。
もし取れたなら是非ともデッキに入れたいところです。
自分が押してるときには必要ないですが、撃たずに勝てればそれでよし。
不利な状況になった時にゲームをひっくり返してくれるリセットボタンは限定戦においても非常に強力。

相手のクリーチャーのコントロールを奪うといったカードも心強い武器。
コチラのクリーチャーを1体増やし、相手のクリーチャーをクリーチャーを1体減らすと戦力差はスゴイ事に。
限定戦では1枚1枚のカードの価値が構築戦よりも高いので(デッキも40枚しかないし)、この手のカードはかなり優秀です。
最近だと《隷属/Enslave》とかですね。

この他にも世の中には構築環境では全く使われない日陰者の除去が多数存在します。
「重い」、「用途が狭い」などの理由で日の当たらない彼らも「クリーチャーを除去する」と書いてあれば充分使い物になるのが限定環境。
白に多い「攻撃クリーチャーを破壊」系除去や、「エンチャントされているクリーチャーはアタックやブロックに参加できない」と書いてあるエンチャント辺りがこのカテゴリに。
あと、「対象をタップ」する能力を持つパーマネントは、クリーチャーをタップし続ければ無力化できるので、ほぼ除去と見ることができます。

これらを駆使して相手のアタッカーを排除、ブロッカーを撤去、自分のアタッカーを通すのが限定戦での基本戦略になります。


(2) クリーチャー支援
クリーチャー除去に次ぐものとしてクリーチャー支援系カードがあります。
主戦力を敵の邪悪な除去から救ったり、相打ちになるはずのところを一方的な正義の虐殺に変えてくれたりする便利カードの皆さんです。

《巨大化/Giant Growth》、《栄光の頌歌/Glorious Anthem》のようにパワー/タフネスを上げてくれるモノ。

《照らす光/Bathe in Light》、《五制術の護法印/Pentarch Ward》のようにプロテクションを与えるもの。

《ブーメラン/Boomerang》、《トレイリアの歩哨/Tolarian Sentinel》のように手札に戻せるもの。

《治癒の葉/Healing Leaves》や《冬の覆い/Cover of Winter》のようにダメージを軽減してくれるもの。

どいつも様々な脅威から自軍クリーチャーを守ってくれるタフガイ達です。

また使い方を工夫すれば相手のクリーチャーを除去するのにも使えるので、使用者の知恵と勇気次第で決定的な威力を持つカードに化けてくれます。

プロテクションや《巨大化》は構築でもお目にかかる機会が多いので問題無いと思いますが、バウンスとダメージ軽減はちょっと注意が必要かも知れません。
バウンスで邪魔なクリーチャーを一時撤去できるところは構築と一緒。
しかし限定戦においてはダメージをスタックに乗せた後で自分のクリーチャーを手札に逃がすことで除去風味の使い方をすることも多いので覚えておいて損はなし。
ダメージ軽減は構築戦では《物語の円/Story Circle》くらいしか使われていないので、馴染みが薄いかも知れませんが限定戦においては戦闘ダメージや除去火力の威力を半減させる強力なカードです。
逆にライフを増やすカードはその場しのぎにしかならず、構築ほど強くないです(《賛美されし天使/Exalted Angel》のような繰り返し使えるものは別)。

クリーチャー戦を有利に展開するためにもクリーチャーを除去や保護できるカードはある程度の枚数確保しておきたいところ。
ただこの手のカードには多少問題が。
自分のクリーチャーを使って何かすることになるので、純粋な除去と違いそれだけ引いても何もできなくて困ることも。
よってこの手のカードを効果的に使うためには自分のデッキにクリーチャーが充分な数入ってなきゃいけません。


(3) 決めカード
上のクリーチャーを直接どうこうするカードではなく、撃てば必殺、勝負を決めるためのカードも1、2枚は欲しいところです。
この類のカードを一概に分類するのは難しいんですが、相手のクリーチャーを大量にタップする、自分のクリーチャー複数に飛行を与える、複数のクリーチャーを大型化するなどなど。
派手な効果のものですね。
(1)(2)と効果が被るものの多いと思いますが、コストが重かったり効果が派手だったりタイミングがソーサリーだったりということで似てるけど微妙に別用途になっちゃうカードがココに入ります。
《版図の踏みつけ/Tromp the Domains》、とか《補強/Fortify》等。
あとはプレイヤーにしか撃ちこめない火力、除去火力で本体に打ち込めるものので特にダメージ量が多いものやX火力もココに入れていいでしょう。

もちろん無くても勝てますが、あると楽に勝てたり負け戦からの一発逆転を可能にしてくれたりと一本「芯」が通って一つ上のデッキに仕上がったりします。


(4) 非クリーチャーパーマネント除去
ドラフトに使用するブースターにもよりますが、場に深刻な影響を及ぼすエンチャントやアーティファクトもいくつかセットに含まれていることがあり、これらを壊せる≪帰化/Naturalize≫のようなカードもあると重宝。
とはいえクリーチャーと違って相手のデッキに入ってるとは限らないので手札で腐ることも。
使える色なら取っておく、相手に使われるとマズイようなエンチャントやアーティファクトを誰かに回してしまったならメインに、そうでなければサイドに用意…くらいに考えておけばとりあえずはOKかと。


(5) ドローカード
ほとんど青にしかないですが(たまに緑にも)、デッキの総枚数が少ない限定戦では1枚1枚のカードの価値が構築戦よりも大きく、引き増せるカードはなかなか強力。
充分なクリーチャーが用意できてしっかりと除去も取れたデッキに1、2枚入ったドローカードはかなりの強さ。

逆に充分な数のカードが取れなかったとき、戦力が薄いのをを引き増し手段でごまかすという使い方もで可能。
ドローカードは直接盤面に手を出すカードではないのでデッキに入ってなくても問題は無いですが、入っていれば物量戦に持ち込むことも可能になったりするので「あると非常に便利」なカードです。


まとめ
ドラフトでデッキに欲しいカードを大雑把にを5つに分けて見てきましたが、この5つの分類に入ってないカードは構築戦では強力でも、限定戦ではそうでもないものだったりすることがあります。

《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》や《機知の戦い/Battle of Wits》などはスタンダードやエクステンデッドのデッキのエンジンや勝ち手段として活躍していますが、効果的に使用するためには環境整備が欠かせません。
しかしカードが限られる限定戦ではなかなかにハードルが高い。
また、整備には成功しても肝心な《ドラゴンの嵐》を引けるとは限らず、下準備が台無しという展開も多いです。

ドラフト慣れしてない人に多いミスに「構築戦では強いカードを取る」というのがあるので気をつけておくとイイ感じ。
とはいえ「構築で強いカードはすべて限定では弱い」ということにではないので、何事もほどほどに。

(1)(5)の範疇に入るカードのうち数字の小さいものが比較的優先度高め。
直接クリーチャーに触る上の2つがまとまった数が欲しいカード、残りは何枚か入ってるといいなあって感じですね。
あくまでもクリーチャー戦を補助するのが目的なので、いくら除去が強いからといって取りすぎるのはよろしくない傾向です。
気が付けばクリーチャーが充分な数取れてないという事態に陥りやすいので。
最後に非クリーチャーカードのうち、パーマネントと非パーマネントの差を。

パーマネント 非パーマネント
・見えてしまってるので奇襲性に欠ける
・場に残るので複数回使用可能なモノも多い

・クリーチャーよりは多少除去されにくい
・相手に見えたないので奇襲性がある
・基本的に使いきり


それぞれにメリット、デメリットがあるのでそれも踏まえつつ(1)(5)のカードで自分のデッキに必要なモノを順位付けすることができると思います。

カードの強さやカードを取るときの基準の話はこのくらいにして、次回は実際にデッキを組むときの枚数やバランスの話に行きたいと思います。