#25「ある意味ワナだよね(笑)」
〜チームGM No.01 なかむラ No.07 Can〜
ホームマジックの話をしよう>#25「ある意味ワナだよね(笑)」

知っている人は知っている『ソーティング』について。
『けんつよソーティング講座 〜ドラフトに役立つソーティング知識〜』
とまあ、そんな感じの第三回。あなたのドラフトの一助になれば幸いです。

つよ: ソートっていうのは、基本的にはレアリティ別に1枚のシートがあって。各言語によって1枚のシートでコモン表があるじゃん。それを3枚綴りくらいでカットするわけ。……あの、なんていうの、イメージとしてはメンコの紙があるでしょ。あれを3枚くらいつなげてカットした感じ。これが世に言うソート。で、シートのどっかのブロックからまた取ってきて、2枚くっつけて、そうやってマジックのパックって作るじゃん。で、上と下、仲良しだから、コレが抜けてたらコレが入る、と。

……コモンのソートって、切る時は4枚〜1枚で切るらしい。例えば3枚のソートの場合、A・B・Cって並んでて、Bが強力なカードの時、(流れてきたパックに)AとCがあるとするじゃんね。普通、Bが抜けてAとCがくっついてるってことは有り得ないわけだから。つまりAとCだけが一緒に入ってくるっていうことは有り得ない。
ほぼ必ずBが(そのパックに)入ってきてるわけ。AとCが入っている以上は。
なか: ああはいはい。一緒にね。
つよ: で、AとCがあるのにBが抜けてるから、上家はファーストピックB。つまり≪エイヴンの風読み/Aven Windreader≫取ってるなおまえッ!って感じで、色を判別する時必要なものになると思うんだけど。

アンコモンのソートを知ってると便利で、
≪降り注ぐ塊炭/Shower of Coals≫と≪踏み荒らし/Overrun≫のソートってあるよね。例えば上家が≪踏み荒らし≫取って(自分の手元に)≪降り注ぐ塊炭≫が流れてアンコモンのスロットが抜けてたら、≪踏み荒らし≫の可能性がかなり高いわけじゃん。で、上家が緑やるわけじゃん。俺がもし≪降り注ぐ塊炭≫を取ったとして、赤緑は絶対組めないよね。上が緑だから。

そうした時に何を取るかとか、そういう将来を考えた選択も実はあるわけ。
で、コモンのソートとか見てて抜けてるカードがあって、自分が見て下家に流した分には≪秘儀の教示/Arcane Teaching≫は1回も出なかったけど、≪秘儀の教示≫が抜けてるのを知ってたりするわけじゃん、ソートを知ってる人間にしたらね。で、自分の下の赤使いとやる分には≪秘儀の教示≫を警戒しないでいいけど、自分の上と当たってる時に赤使ってる人がいたら、コモンのソートで≪秘儀の教示≫が抜けてたから可能性として≪秘儀の教示≫使ってるかもしれないなっていうのを念頭においてデュエルした方がいいよね。
なか: ある意味ワナだよね(笑)
つよ: うん。ただそれを考えすぎて、≪秘儀の教示≫なんてそもそもありませんでしたよとか、ただ単に上家がカットしてるだけでしたテヘとかなるんだけどさ(笑) ……だから、あくまでソーティングとかは補助的な部分じゃない? 俺的には、マジックで「対面の初手≪黒死病/Pestilence≫が分かった人がいる」とかいうでしょ。ウルザズサーガとかで。あれ、研究したら分かりはするだろうけど、あんなことまでは絶対必要じゃないと思う。あくまで手助けだから。
なか: 結局、今まではそうじゃなかったけど、ソーティングって分かったら皆やるじゃない? で、そうなると、上の(レベルの)方ではソーティングの知識っていうのは標準になるかもしれない。
つよ: うん。(下家への)サインにもなる。……サインになるっていうか、サインが来てないけど、上家の取ったカードが分かる補助的な意味合いだろうと思うよ、俺は。
なか: ああ。じゃあ、上家から下家に「分かれよ?」とか、そういうもんじゃない?
つよ: 「分かれ」っていうか。知らない人はしょうがないし。……≪踏み荒らし≫取ってる人がいて≪降り注ぐ塊炭≫が流れてきてたら、「上家が緑取ってる」って分かり易いから楽ではあるじゃん。それを突き詰めていったら、アンコモンのスロットが二つ消えててコモンのスロットが二つ消えて、みたいな。で、コモンの二つ消えてるスロットは何かっつったら、大抵普通はレアよりアンコモンの方を皆優先するよね。そしたら「もしかしたら上家は○○かもしれない」「上家の上家は××かもしれない」と推察をしていって、どんどん流れてくるカードで判断をする。……っていう手助けにはなるけど、あくまで補助的な部分でしか分かりえない。上家が滅茶苦茶やってたら分からないし。
りょ: じゃあ、さ。例えばトッププレイヤーを8人揃えた卓に座るじゃん。その時にはソーティングっていうのは共通認識になってないの?
つよ: 俺は、分からないと思う。俺は実際トップグループの人たちと卓を囲んだことが無いから分からないけど、彼らが「ソーティングは共通認識」っていうのを隠していて、記事とかを書く人も隠していて。……認識をしているんだけども教えないよっていうことでああいう風な記事を書いているのか、それとも分かってる人もわかってない人もいて書いているのか、分からないじゃん。何ともいえない。
りょ: あああ。なるほどね。
つよ: ただ俺の認識としては「そこまで重要視する必要はないけど、知っていた方が絶対強くはなるよ」っていう。で、どうやって研究するかっていったら、パック剥いだ時に(並びを)覚えとけよっていう。……本当はさ、俺が金持ちで10箱くらい買えるんだったら、パック全部あけて、全部ソート調べて、表を作って全部埋めて、「あ、これとこれがソートなんだな」っていうのを調べるけど。

実際に俺がパック買う時は、
どうでもいいコモンのソートは覚えないよ。バウンスとか不意打ちで使われたら死ねる強いカードの回りを覚えていく。強いカードの回りはチェックしといた方が良いかもね。

あ、突然かつ今更ですが用語解説。「上家」というのは「かみちゃ」と読み、
自分より一巡先にパックを見る隣の人のこと。(基本的には)右隣の人ですね。
「下家(しもちゃ)」はその反対。元は麻雀用語です。
……さて、シリーズ最終週の来週くらいはドラフト以外のことを話しましょ。


続く