#35「そう。ギリギリで勝つ」
〜M〜
ホームマジックの話をしよう>#35「そう。ギリギリで勝つ」

Mさんとの年代モノの話は続きます。
始めに組んだデッキや、初心者との遊び方について聞いてみたり。
ここでもやはり≪累加アップキープ≫はクセ者でした(笑)。
ていうか≪対抗呪文/Counterspell≫がアンコってマジですか?

M: とりあえずカードをボックスで買いたかったよ。俺ボックスで買ったこと未だに無い。
最高12パックくらいかな。
りょ: 買ったの!? Mさんが!?
つよ: 君が12パック分のお金を出資するなんて凄いな。
M: 凄いでしょ。一番始めに買ったのが、どれくらいだろう、3000円分くらい買ったわけ。初期の頃はだいたい週2回くらい行って、行くたびにブースター2つくらいは買ってたから、結構なペースでカード買ってたと思うよ。あの初期のカード集めの段階では。
つよ: 最初のデッキは何だったの?
M: 最初のデッキは何だったんだろう。結局、持ってるカードで全部デッキ作ったと思うよ。緑赤と黒白とか。
つよ: ああ。色全部分けて。
M: 青はでも、俺もあんまり使ってなかったよ。青はアイスエイジが出るようになってからしか使ってないから。
りょ: アイスエイジってのはどうして?
M: ≪Illusionary Force≫。累加アップキープ(青)の4/4飛行。累加アップキープの解釈が始めおかしかったわけ。普通のアップキープだった。
りょ: 累加してないじゃん!
つよ: 毎ターン(青)で維持されてる(笑)。
M: 累加してないかった、当初はね。「これ強えじゃん。しかもコモン」。
つよ: あのHAMA研の時の7/4先制攻撃の壁≪Illusionary Wall≫と一緒だよ。
M: あとはアイスエイジが出るまでは≪対抗呪文≫が集まらなかったという話も。4版まで≪対抗呪文≫はアンコモンだったから。アイスエイジで≪対抗呪文≫がコモンになって、「とりあえず≪対抗呪文≫×4」の時代が来たわけ(笑)。青でやったらとりあえずカード覚えるね。
りょ: ああ、それいつも言うね。
M: だから初心者はカウンターデッキ。で「あのカードは通してもいい。そのカードは後からどうにかなる。このカードは通したら負け」という風にカードを覚えていく。
つよ: でも初心者がカウンターデッキでやったら勝てなくて嫌になると思う。(どれをカウンターするかという判断を)たくさん間違えるから。
M: 間違えるからカードの効果を早く覚える。だからこそ初心者に、
つよ: 違う違う、最初は赤緑とかで勝つ喜びを味わわせて、次は青だよ。
M: そりゃあつかみのつかみはソレだよ。始める時は赤緑か赤黒。そこから一歩踏み込んで、楽しさが分かってきたら≪対抗呪文≫
りょ: 始めは楽しいデュエルを満喫してもらって。
つよ: でも君たちは皆やる気満々デッキだよな(笑)。もっと遠慮したデッキとか組めばいいのに。
ヒゲ: なんかいきなり≪転覆/Capsize≫撃たれてるわけ。俺が赤緑やってる隣で、なんかMさんが≪転覆≫で延々。
全員: ハハハハハハ。
りょ: またMさんかよ!
M: いや、あの頃はまだ「勝ちを譲る」ってことを知らなかったよ。カウンターポストくらいから「相手を遊ばせて勝たなきゃ駄目だ」っていうのに目覚めたね。
つよ: (笑)ギリギリで勝つ、みたいな。
M: そう。ギリギリで勝つ。
つよ: 「いやあ、良いゲームだった」(笑)。10ターン前から勝ち決まってるのに。
山内: (笑)悪い〜。
M: でないと皆遊んでくれないんだもん〜。
全員: (笑)
M: 今もやるね、だからね。それは未だにやるね。
山内: 癖になってる。
つよ: 人でなしだよ。
りょ: まあでも、そうやって相手してもらった俺らは楽しんでたわけだし。
M: ていうか「ここで今引いたこれをプレイしたら勝っちゃうから、コレは引かなかったことにして〜」ってやるじゃん。実際その方が新しいプレイングを覚える。新しいプレイングというか、上手いかわし方を覚える。そこで勝っちゃったらそこで終わりで、それ以上ラーニングしないじゃん

そうして遊ばせてもらい、やみつきになり、のめり込んで早幾年。
僕らもいつかのMさんのように、経験者として初心者に向かい合う日がやってくる。
相手にギリギリまで楽しんでもらうのか。一切手を抜かない真剣勝負で迎え撃つのか。どちらが良いのか、たまに話題に上ったりします。
まあ結局は、「ああ、やっぱりマジックって面白え」という満足感を、初心者の人に胸一杯持って帰ってもらうことこそ大事なわけで。
どうせ経験者になるのなら、それができる経験者になりたいと思う今日この頃です。


続く

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