#32「知らない環境でやってたから楽しくて」
〜アイランドウォーカー杯優勝者 しょうご  同6位 いたる〜
ホームマジックの話をしよう>#32「知らない環境でやってたから楽しくて」

今では、大会に出るにも借り物のデッキしか持ってこない二人。
勿論昔はそうじゃなかった。今より熱く激しく燃えていた時期があった。
どうしてそんなんなっちゃたの?
まずは自分でデッキを作らなくなった理由から訊いてみましょうか。

つよ: いつくらいから自分でデッキって作らなくなった?
いた: もう勝つようになったら(デッキを)作らないよね。
つよ: 普通逆だろ(笑)
しょ: こういう面子とつるむようになってからじゃない?
いた: 勝つようになってからでしょ。だって強いデッキ使った方が早いじゃんね。昔は作ってたんだよね。めっちゃ昔はね。
しょ: 始めた頃は自分で作ってたよね。
いた: 作ってたよね。勝てるようになってからだよね。
しょ: 面白くないな。
つよ: 面白くない? 勝てるから?
いた: 勝てるからっていうか、なんか、自分で作ったら……。
しょ: じゃあさ、例えばどのデッキにも似ていない完全な俺のオリジナルを作るじゃん? でもそんなデッキ勝てなさそうじゃない? 強いカードって一握りでしょ。一握り。
つよ: だから自分で作ればいいじゃん。自分なりの調整があるんじゃないの。
しょ: 世界選手権の予選抜けたデッキとかにボコられて「うわー!」「弱えー!」「うひー!」とか。
つよ: いやだから、それに負けないデッキを自分で作ればいいじゃん。
いた: 作ったよな、昔はな。
つよ: 今はなんで作らないの?
しょ: 今は難しい。
つよ: 難しいけど楽しいとは思わないの?
しょ: 作るの飽きたんだよな、多分。俺は飽きたよ。作るのに飽きた。
つよ: 「作ってもなあ」みたいな。作っても、その辺にあるコピーデッキとやるのもなあ、って?
いた: あ、そう。コピーデッキがあるから逆に「面白くない」ってやめたのかもしれないね。
しょ: 多分それだと思う。俺の中では。
つよ: 強いデッキ作る人がずっこい。
しょ: 多いでしょ。分からん、自分で考えてるかもしれないけどさ。たまたまかぶってるだけなのかもしれないけどさ。俺は作ってる過程を見てないから、俺の目にはそう映るわけ。
つよ: それを自分で作ったデッキでボコってやろうとは思わない?
しょ: 今はちょっと無理かなあ。
つよ: なんで?
しょ: 勝てるくらいのデッキを俺が作っても、それはどっかで見たことある形になってるとかでイヤ
つよ: それでいいじゃん。
しょ: それは……違う、しね。過去に一回でも見かけてたら、俺の中でそれはコピーデッキだから。俺の中では。
つよ: ああ。君の中では許せないわけな。
いた: 最初は楽しかったね。
しょ: 俺、こいつと会ったら良く話してた。そんな話。「最初の方が面白かったよね」って。
いた: 今は全部カード知ってるからだよね多分。知らない環境でやってたから楽しくて。遊戯王も知ったから面白くなくなった。
しょ: なんかさ、負けたら嫌だけど、自分の中でものすごい頑張って負けると楽しいよね
つよ: ん?
しょ: なんていうの。俺の中では「もういっぱいいっぱいだあーっ」。だけど回りはもっと強い時とかは、「うわあ、もっと強くならなきゃ」って。その過程が楽しいけど、う〜ん、最近は俺なんか勝つでしょ。
つよ: うん。
しょ: 一応勝ったら嬉しいんだけどさ。楽しいとはちょっと違うかなあって感じ
つよ: じゃあ例えば今日出て負けたとするじゃん。別になんとも思わない?
しょ: それは、
いた: ないよな。「なんで負けないといかんの?」って思うよな。
しょ: 例えば、今日とか、こういう大会には「勝とう」と思って気合入れて来てるわけ。なんか、その時点で違うよね。始めた頃は「今日優勝するぜ」とは来てないよね。
つよ: どういう風に来た?
しょ: 知らない人と一杯マジックして、強い人と対戦したいなとか、強い人にボコられにとかで来てる。
つよ: 今は優勝しに来てる。
しょ: うん。
つよ: だから別に勝っても普通。
しょ: うん。
つよ: 負けたら悔しい。
しょ: うん。負けたら「一体なんで勝てないの」って。
いた: 負けたらすっごい悔しい、俺。今でも悔しい。負けることはしたくない。

「マジックは始めた頃が面白かった」?
まあ、世界中で否定派と肯定派が語り尽くしても答えの出ない設問ですから、
僕なんかがおいそれとまとめることなんてできません。
それに何より、確かな結論を出す責任が無いのがダベリの魅力ですしね。
そんなわけで結論は皆様に丸投げです。編集失格。

短いテープなので今回はこれまで。
忙しい中ご協力頂いたしょうご君といたる君に感謝。
ありがとう。また二人を燃えさせるような強豪に巡り合えることを願ってます。

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