こんなデッキは札束だ! 第14回 黒緑「札束」編 |
壱:ザ・主水殿、実は大事なお話があるんですよ? 主水:いきなり疑問形でこられても・・・まあ、見ての通りスタンダード落ちするカード山の整理に追われて忙しいんだが、御用はなあに? 壱:ワタクシ、HAMA研に入ってそろそろ3年目になりますが、HAMA研としての活動をサッパリしてませんよ。 主水:いやいや、立派にやってるじゃない。 壱:・・・・・・何かしましたっけ? 主水:・・・先代所長の定めたところによると、HAMA研は悪の組織らしいんだよ。 悪の組織のやることといったら、子供だましな日本転覆計画を立てて、近所の子供を洗脳して「この星をあげますと言え」とかどうしょうもない作戦を着ぐるみ改造人間とかを駆使して実行、しかるのちに出来損なって逃亡して正義の士として目覚めた反逆者に小者っぽくやっつけられるのが醍醐味らしいんだ。 その点、君は理想的なヤラレキャラとして立派に勤めを果たしているので、てっきりそれで本懐なんだとばかり。 壱:俺って「HAMA研の中でも一番の小物」枠だったんですか!? 主水:そこまであからさまな物言いをされるとちょっと・・・「テ○ーマン枠」とか、他のもう少し穏当な言い方もあるとは思うよ。 壱:なんか迂遠な言い方になっただけで扱いとしては変わらないというかもっとひどく・・・・・・じゃなくって、そろそろHAMA研の記事を書きましょうよ! 主水:何を書くの?新環境の考察とか。 壱:あなたは何にもわかってない! HAMA研に求められているものは、そんな無難な記事じゃないでしょう。 既に環境分析とかのご立派な記事は世に溢れかえり供給過多につき我々のような弱小組織が手を出しても・・・んね!? というワケで身の程をわきまえて、素直に「札束」とか書くことによりHAMA研から緩やかに放射される素粒子の効能でモリモリ儲かったり、筋肉ムキムキになったり、二週間で彼女ができたりしてぇという意図を明らかにしたい所存。 主水:何せ「札束」は前回が前回だから・・・どう再開するか思いつかんまま絶賛放置プレイ中なワケだが。 そもそもあの筋肉バカがねぇ・・・それでもやるの? もうすぐスタンダード環境も変わろうってこの時期に? 壱:もちろんですよ!?というか環境が変わってしまってからでは遅いんですよ。 御題としては断固このデッキを斬って捨てたい所存↓
壱:前環境を荒らした黒緑エルフですよ。TCG(タルモ・ガラク・コール)なんて俗語もできる始末で、相手にとって不足無いし、そもそも「札束」というそのまんまなネーミングは明らかに我らHAMA研への宣戦布告としか思えんので許せん。 ここまで挑発されてリングに上がらんでは漢がすたる! さあ、このムカッ腹立つデッキを安く!さらに安く!へっぽこな感じに!我々が、我々の手でやるのですよ。 主水:勝手に珍妙な解釈をして他所様にケンカ売るのは如何なものかと・・・。 そういえば君、確か都道府県選手権でこのデッキに負けて準優勝でしたね。 ・・・動機は私怨? 壱:ソンナコトナイデスヨ。 主水:なかなか日本語がお上手ですね。 んじゃ、誰かさんの器の小ささが明らかになったところで、とりあえず今回のプランを聞こうか。 自分から話を振ってくる以上、何か腹案はあるんでしょ? 壱:もちろんですとも!まずは《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を《クウィリーオンのドライアド/Quirion Dryad》にしてですね、これで2マナ圏は安泰。どうよ? 主水:いや、得意気に「どうよ?」って言われても。 確かに値段は下がってるけど、レアをレアに置き換えてもインパクトがサッパリね。 景気の悪い昨今、求められてるのはそんな水曜特売のチラシみたいな地味な値下げではなく、スイカ1玉1円!級の衝撃のプライスなの。 壱:あ〜、ですよね〜、確かに。 主水:自分で言い出してその始末か。 仕方がないので、こんな事もあろうかと秘密裏に開発しておいたHAMA研の超頭脳を出さざるを得んな。 壱:おお、そんなブツがHAMA研に?まるで研究所みたい!・・・・・・って、ただのパソコンでしょ、コレ? 主水:これは今は亡き我らがカイザーの怨念をパソコンでエミュレートするという大変高尚なシロモノで、適当な質問を入力してやればヤツがが出すであろう回答を99%の確度で出力してくれるかも知れないスゴイ機械。 名付けて「マシンカイザー」! 壱:まるっきりパチモンじゃないですか!? ○イナミックプロとか○井GO先生とか両手に余る数の筋を一気に敵に回しそうなネーミングは大丈夫なんですか? ・・・・・・それと、画面にミク○ィって出てるのはナゼ? なぜよりによって○クシィ? お互い文明人なんだからメールとか、メッセとかもうちょっとリアルタイムで連絡とる方法があるのでは? 主水:まあ、一言で言えば「大人の事情」かな。 しかしスペックはジオン脅威のメカニズムにより保証済み。 さあ、マシンカイザー! その恐るべきハイなスペックを世間に見せつけるがいい!! カイザー>コトバ マダワカラナイ オシエテ シンイチ. 壱:コレポンコツもいいとこじゃないですか! 主水:・・・そもそもこの企画でタガが外れた提案をして 「このカードは例のアレより安くて優れている」 って無茶な展開するのは所長の役目だったんだよ。 そしてヤツがいなくなった今、求められているのはそういう大胆かつ誰にもありがたがられない無謀な発想力。 その要求に応えるにはこのぐらいハイなスペックが必要なんだよ! むしろこのポンコツ?っぷりこそが今の俺達に欠けていたものなの。 というわけでマシンカイザー、とりあえず《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》からコストダウンを図りたいので、何か活気的な代案を一つ、ヨロシク。 カイザー>・・・・・・《三人組の狩り/Hunting Triad》. 主水:えーと・・・トークン量産とクリーチャー強化を一枚で兼ねてるところがソックリってことかな? うん。まあ、そういう発想力だよ。 壱:・・・・・・本当に、そんなレベルでいいんですか!? 主水:いつもこんなもんだよ? そろそろ君が軽々しくも挑んだ道が、どれほどの獣道か理解できたようだな。 壱:いや、ウスウス感じてはいたんですが・・・この胸いっぱいに広がる良心の呵責みたいなものは一体何なんですかね。 ・・・・・・えーと、じゃあ《獣群の呼び声/Call of the Herd》のスロットは《リス・アラナの狩りの達人/Lys Alana Huntmaster》とかでいいんですか? 本人のサイズも3/3で象トークンと同じスペックを誇ってますし、彼女のトークン増産能力はローウィンのドラフトで既に証明済みですよ。 主水:ん〜、悪くないけど、マシンカイザーは《野蛮な観念/Savage Conception》の方が似てない?と仰っておられる。 ソーサリーだし、3/3トークン出るし。 それにこいつ土地の限り何度でも撃てるからフラッシュバックを超えたね。 壱:・・・コストも2マナばかり超えてますよね? 主水:コレだけハイなスペックを誇ってるんだから仕方ないってことでしょ。 壱:フラッシュバックと違ってアドバンテージには繋がってませんよね? 主水:その代わり土地がいくら余っても困らないんだよ? ということは即ち《樹上の村/Treetop Village》はもういらないってことだ。 スゴイね、一枚で二枚分のスロットを解決しちゃったよ。 壱:マジですか!? 主水:マジですよ? さて、お次の難物は《タルモゴイフ/Tarmogoyf》だな。 壱:最終的にはエルフが並ぶハズだから、《鋸歯傷の射手/Jagged-Scar Archers》とかどうですかね? スタープラチナの《白金の天使》を撃滅できる《射手》の方が強そうですよ。 主水:スタープラチナなんて今時みかけないデッキに耐性が付いてもあんまり嬉しくないんだけど。 それに《タルモゴイフ/Tarmogoyf》みたいな死ににくさはないね。 壱:じゃあ《エルフの集団/Drove of Elves》? 被覆付いてるから除去されにくいし、ビーストトークンでもサイズが大きくなりますよ。 主水:調子出てきたみたいじゃない。じゃあ、それで。 あとは自分で頑張ってね〜、困ったらマシンカイザー勝手に使ってイイから。 壱:エライやる気が感じられないんですけど。そんなにやりたくないんですか? 主水:いずれ君にもわかるよ。 ここで見ててあげるから思うさまおやりなさい。 壱:せっかく久々の機会なんだから、リハビリのつもりでもう少しだけ頑張ってくださいよ。 《レンの地の克服者/Wren's Run Vanquisher》は《エルフの戦士/Elvish Warrior》にしましょうか? コレなら追加コスト要りませんし、値段も十分の一以下で・・・。 主水:コストのワリにデカイって線ではいいとこ行ってるけど、インパクト弱いなぁ。 《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》にでもしといたら? 壱:・・・・・・まあ、コスト対サイズで考えれば、より似てると言えんこともないですね。 なんだか釈然としないですけど。 でも、《仮面の称賛者/Masked Admirers》はイイ子をスカウトしたんですよ。 《ナントゥーコのシャーマン/Nantuko Shaman》って4マナ3/2で1ドロー、エルフじゃないところだけが残念ですがかなりイけてますよ!? 主水:ん、カードが引けるのはスバラシイ。それ採用。 しかし《不敬の命令/Profane Command》はどうするつもり? これはさすがにハードル高いよ? 壱:そこなんですよね。 ちょっと自分では思いつけなかったので、お知恵を拝借したいと思ってたところなんですが。 それこそマシンカイザーに一つヨロシクということで。 カイザー>・・・・・・. 壱:何も言ってこないですね。退席してるんですかね? 主水:処理中だよ! まるで中の人でもいるかのような不適切な発言は止めたまえ、君。 コレだけの難問だと処理に少々時間が必要なんだよ、わかるよな?な? というワケで、その間にこちらで片付けられるものを始末しておこう。 残る壁は《叫び大口/Shriekmaw》か。 壱:・・・処理中・・・ですか。 ・・・CIP効果で除去が付いてるクリーチャーって少なくともアンコ以上ですよ。 《ネクラタル/Nekrataal》でもそこそこの値段ですけど、《叫び大口/Shriekmaw》よりは安いんでその辺で手打ちにしません? 主水:そういうところこそ「はぁ?それなの?」っていうセンスオブワンダーの見せ所でしょ。 そこで手を抜いてちゃ〜いい仕事出来ないよ。 CIP除去クリーチャーが軒並み高いって言うなら、逆転の発想だよ。 壱:じゃ、逆転させて除去してクリーチャーが出るスペルとかですか。 そういや《スミレの棺/Violet Pall》とかありましたね。 出てくる生物がエラく貧弱になるけど、一応回避能力も付いてて似てると言えなくもない。 主水:わかってないな〜。 それじゃ相手がクリーチャー出してないと撃てないでしょ? 《叫び大口/Shriekmaw》はいざとなったらクリーチャーがいなくても出せるし、単体でもかなりのクロック。 そういう力強さがないと。 壱:いないですよ、そんな生物。 主水:《大使の樫/Ambassador Oak》だよ!本体サイズは3/3もあって《叫び大口/Shriekmaw》以上のタフガイだし。 壱:・・・・・・・・・ひょっとして「HAMA研相対性理論」ですか? 主水:そうだよ?相手から一体減らすのとこちらに一体増やすのと、数字で見れば同じことじゃない。 これで充分。 所長ならそう言うね。 壱:恐ろしくナゲヤリですね。いつもこんなテンションで書いてたんですか? 主水:そんなわけないでしょ。 二年ぶりに急にこんな企画を持ち込まれても・・・こちらにも準備ってものがあるんだよ。 ミーティング前に老酒一気飲みするとか、モテモテ王国を全巻一気読みするとか、ガオガイガーをファイナルまでブッ通しで見るとか、そういう儀式が必要なんだよ!! 壱:カードリスト熟読するとかじゃなくて、メンタル面のケアが優先なんですね・・・。 あ、カイザーが戻・・・もとい、マシンカイザーの処理が終了したみたいですよ。 カイザー>《不敬の命令/Profane Command》→《裏切り者の手中/Traitor's Clutch》. 壱:はあ?除去でもなく、火力でもなく、リアニでもなく、よりにもよって回避能力だけをフィーチャーするですか? 主水:さすがはカイザー、常人とは目の付け所が違う。 これほどガッカリさせてくれるカードを見つけてきてくれるとは、感動すら覚える。 ついでにまとめてデッキリストにして出力しておくれ。
主水:これで完成〜。お疲れさん。 壱:おお、完成? 壱:ああっ!?いつの間にか《呆然/Stupor》が《割れるような頭痛/Splitting Headache》に置き換えられてる! こっそり《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》も入ってるし。 マシンカイザー高性能だ。 主水:確かに。状況によっては《割れるような頭痛/Splitting Headache》の方が強い瞬間もあるかも知れないね。 壱:正気ですか!?その感想は本気で言ってるんですか!? いつも見てる側だったからアレだったんですが、作る側になってみるとなんていうか・・・この恐ろしいほどの罪悪感は一体!? 主水:そう、それが大きな問題なのよね〜。 やっちまった感っていうのかな?後味悪すぎて迂闊にやれない。 壱:今回はチョイとした腹イセ的な感じで話を持ち込んでみたんですが、やってみて初めて・・・長々と放置されてた理由がわかった気がします。 主水:だよね〜。何か新しい方向性を考えなきゃいけないんだけどね。 壱:HAMA研がどういう感じでMTGに関わっていくかですかね? 主水:いや、新しい笑いの方向性を模索しなきゃいかんよな〜と。 壱:うわぁ・・・悩みどころはそっち? カイザー>ギギ・・・ガガ・・・コレガ・・・・・・ナミダ?・・・・・・・・・. |