バイオレンス杯へ向けて その3

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去る2月12日に開催された京都金閣寺事件(笑)杯。
フォーマットはヴィンテージ。
あまりなじみのないこのフォーマットへの水先案内として、主催のけんつよさんが収集したデッキリストの数々+ご本人の手による解説を一度きりで使い捨ててしまうのはあまりにももったいない。
ということで掲載された「けんつよの雑記帳」から抜粋して再編集してみました。

ブログからの再編集なので多少、文脈がおかしくなっているところもあるかもしれませんが、その辺はすべて主水@HAMA研の文才の無さゆえです。

けんつよさん主催のヴィンテージトーナメントは4月16日に第2回「バイオレンス杯」も予定されているので、そちらの参考にも是非。

今回紹介するのは、StarCityGamesさん(http://www.starcitygames.com/)主催で定期的に行われているStarCityGames Power 9 Tournament tournamentの最近のデッキから。
昨年末(2005年12月10日)にNew YorkのRochesterで行われた時の優勝デッキです。

Ugo RivardさんのControl Slaver(※は制限カード)
メイン(60枚)
土地 17
3×《島/Island》
1×《教議会の座席/Seat of the Synod》
1×《トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy》

2×《Underground Sea》
3×《Volcanic Island》
1×《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4×《汚染された三角州/Polluted Delta》
1×《Library Of Alexandria》

1×《露天鉱床/Strip Mine》

クリーチャー 5
3×《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》
1×《トリスケリオン/Triskelion》
1×《白金の天使/Platinum Angel》

呪文 38
1×《Ancestral Recall》
4×《渦まく知識/Brainstorm》
1×《神秘の教示者/Mystical Tutor》

1×《残響する真実/Echoing Truth》
3×《マナ漏出/Mana Leak》
1×《Time Walk》

4×《Mana Drain》
4×《知識の渇望/Thirst for Knowledge》
1×《修繕/Tinker》

1×《嘘か真か/Fact or Fiction》

4×《Force Of Will》

1×《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
1×《Demonic Tutor》※
1×《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》
1×《Black Lotus》
1×《Mox Pearl》

1×《Mox Sapphire》

1×《Mox Jet》

1×《Mox Ruby》

1×《Mox Emerald》

1×《Mana Crypt》

1×《Sol Ring》

1×《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》
1×《精神隷属器/Mindslaver》
サイド(15枚)
2×《溶岩の投げ矢/Lava Dart》
1×《紅蓮破/Pyroblast》
2×《赤霊破/Red Elemental Blast》
2×《紅蓮地獄/Pyroclasm》
3×《荒残/Rack and Ruin》
3×《血染めの月/Blood Moon》

2×《トーモッドの墓所/ Tormod’s Crypt》


コントロールスレイヴァは《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》を採用してしている青赤黒のアーティファクト主体のデッキと云う点では以前紹介したスタックスに通ずるものがありますが、その方向性はカウンタによるパーミッションデッキです。

序盤は兎も角、(このデッキでは11枚の)打ち消し呪文で徹底的に耐える所から始まります。

それから、ある程度「お互い」にマナが溜まってきたら、いよいよ勝ちに向かいます。
実際に殴りに行けるクリーチャーは《トリスケリオン /Triskelion》と《白金の天使/Platinum Angel》ですが、このデッキのフィニッシャーは《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》と《精神隷属器/Mindslaver》です。
これを、《修繕/Tinker》なり、予め《知識の渇望/Thirst for Knowledge》(このカードは捨てるアーティファクトには困らないヴィンテージではかなり強力ですし、「カードを墓地に落とせる」事に意味がありますので良く見かけるドロー強化です)で墓地落としてから《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》で拾うなり、《Mana Drain》から出たマナでプレイするなりして、相手の場と手札と墓地を崩壊させます。

一端、正しいプレイングによる《精神隷属器/Mindslaver》と《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》が廻り始めると、ほとんど対抗手段が無くなりますので、後は万が一の為の打ち消し呪文を握り締めつつ、相手に投了を促すのが手っ取り早いでしょう。
無論、《白金の天使/Platinum Angel》等で殴り勝つ事もあります。

サイドボードに関しては《溶岩の投げ矢/Lava Dart》はタフネス1の多いヴィンテージ環境では非常に美味しい呪文ですし、《血染めの月/Blood Moon》は特殊地形が多くなりがちな環境なので、デッキによっては致命的なカードになりえます。

その他のカードについては大体自明かと思われます。



それともう一つデッキを。
ある意味「これぞヴィンテージ」な制限カードの山のストームデッキです。

Stephen MenendianさんのGrim Long(※は制限カード、2005年10月30日開催のStarCityGames Power 9 Tournament tournament in Chicago, Illinois, United States、第4位)
メイン(60枚)
土地 11
1×《トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy》※
1×《Underground Sea》
4×《真鍮の都/City of Brass》
1×《禁忌の果樹園/Forbidden Orchard》
4×《宝石鉱山/Gemstone Mine》

クリーチャー 3
1×《ザンティッドの大群/Xantid Swarm》
2×《Elvish Spirit Guide》

呪文 46
1×《Ancestral Recall》
4×《渦まく知識/Brainstorm》
1×《神秘の教示者/Mystical Tutor》

1×《ハーキルの召還術/Hurkyl’s Recall》
1×《Time Walk》

1×《Timetwister》

1×《修繕/Tinker》

1×《意外な授かり物/Windfall》

1×《精神の願望/Mind’s Desire》

4×《暗黒の儀式/Dark Ritual》
1×《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
4×《強迫/Duress》
1×《伝国の玉璽/Imperial Seal》
2×《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》
1×《Demonic Tutor》
1×《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》
3×《Grim Tutor》
1×《苦悶の触手/Tendrils of Agony》
1×《ネクロポーテンス/Necropotence》
1×《ヨーグモスの取り引き/Yawgmoth’s Bargain》
1×《Wheel Of Fortune》
1×《Regrowth》
1×《Black Lotus》
1×《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》
1×《水蓮の花びら/Lotus Petal》
1×《Mox Pearl》
1×《Mox Sapphire》
1×《Mox Jet》
1×《Mox Ruby》
1×《Mox Emerald》
1×《Mana Crypt》
1×《Sol Ring》
1×《魔力の櫃/Mana Vault》
1×《記憶の壺/Memory Jar》
サイド(15枚)
3×《ザンティッドの大群/Xantid Swarm》
2×《Elvish Spirit Guide》

1×《ダークスティールの巨像/Darksteel Colossus》
1×《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》
2×《ハーキルの召還術/Hurkyl’s Recall》

1×《中断/Abeyance》
1×《天秤/Balance》
1×《浄化の印章/Seal of Cleansing》

1×《金属モックス/Chrome Mox》
1×《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
1×《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》


勝ち筋はマナブーストしながら、ドロー強化を駆使して、ストーム数を稼ぎ、最終的に《精神の願望/Mind’s Desire》からめくれた《苦悶の触手/Tendrils of Agony》で勝つ。
若しくは単純にマナブーストして、《苦悶の触手/Tendrils of Agony》ストーム9でも可。

一応安全にコンボを通す為、《ザンティッドの大群/Xantid Swarm》と《強迫/Duress》が入っています。
そして、《苦悶の触手/Tendrils of Agony》がストームなので《もみ消し/Stifle》か《時間停止/Time Stop》以外ではほぼ防げない事が強み。

サイドは保険の勝ち手段としての《ダークスティールの巨像/Darksteel Colossus》と追加のマナブーストカード、後は打ち消し呪文や《中断/Abeyance》を詰んだデッキ対策、他は墓地やエンチャント・アーティファクト対策等です。
因みに《ハーキルの召還術/Hurkyl’s Recall》は自分に撃って《Mox〜》を再キャストしてストーム数を稼いだり、相手に撃って、その後《意外な授かり物/Windfall》で捨てさせたりと便利なカードです。

コンボを発動させるタイミングや初手のマリガン選択等、動かし方は非常にデリケートですので間違っても当日いきなりテストプレイせず大会に出るのはお薦めしません。