バイオレンス杯へ向けて その2 |
去る2月12日に開催された京都金閣寺事件(笑)杯。 フォーマットはヴィンテージ。 あまりなじみのないこのフォーマットへの水先案内として、主催のけんつよさんが収集したデッキリストの数々+ご本人の手による解説を一度きりで使い捨ててしまうのはあまりにももったいない。 ということで掲載された「けんつよの雑記帳」から抜粋して再編集してみました。 ブログからの再編集なので多少、文脈がおかしくなっているところもあるかもしれませんが、その辺はすべて主水@HAMA研の文才の無さゆえです。 けんつよさん主催のヴィンテージトーナメントは4月16日に第2回「バイオレンス杯」も予定されているので、そちらの参考にも是非。 |
早速、今日からヴィンテージのデッキを紹介していきたいと思います。テキスト等が判らないカードに関しては、「Wisdom Guild」さんのトップ右下の最近のセット>moreから検索ページに入って、カード名をコピーして貼り付けて、検索してみて下さい。 画像も見れますし、日本語訳で表示されます。 今日、紹介するのは「MTG.com」さんから、昨年の8月20日に開催された「2005 Vintage Championship」の優勝デッキ(因みに優勝者にビッグサイズの新絵柄《Ancestral Recall》がプレゼントされた事で話題になりました)。 Roland ChangさんのStax(※は制限カード)
スタックスは通常、《Ancestral Recall》と《修繕/Tinker》の為の青、《吸血の教示者/Vampiric Tutor》と《Demonic Tutor》の為の黒、そして《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》の為の赤の3色で組まれる事が多い(場合によっては赤単色か赤青2色)のですが、このデッキは意欲的に5色で組まれています。 動きとしては徹底的なボードコントロールデッキです。《Mishra’s Workshop》や各種《Mox〜》からのマナブーストから《抵抗の宝球/Sphere of Resistance》、《からみつく鉄線/Tangle Wire》や《煙突/Smokestack》で相手に基本的に何も行動させません。 最終的に《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》と《露天鉱床/Strip Mine》(または《不毛の大地/Wasteland》)に《三なる宝球/Trinisphere》(または《抵抗の宝球/Sphere of Resistance》)で相手が一切の抵抗ができないように縛ります。 この動きを潤滑にする為に投入されているのが《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》です。 カウンターの溜まりすぎた《煙突/Smokestack》を処分したり、カウンターの少なくなった《からみつく鉄線/Tangle Wire》を場と墓地で循環させる事で場の優位を維持します。 また、打ち消されたり、破壊されたアーティファクトも《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》が居ればすぐに戻ってきます。 こういう状況が作り出せれば、後は何をしても勝手に勝ちます。 ただ、打ち消し呪文を一切積んでいないので、キーカード(特に《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》)を如何に守りきるかが鍵になります。 プレイングも難しい部類に入るので(もっともヴィンテージのデッキはどれも扱いがデリケートです)、練習無しでの大会参加はお薦め出来ません。 因みにサイドボードについてですが、《虚空の杯/Chalice of the Void》はヴィンテージ環境で良く見かけるカードです。 自分だけ《Mox〜》をばらまいてから、X=0でプレイしたり、特定のマナ域に依存したデッキ(特に2マナ域のカードが多いデッキが意外に多い)には非常に効くカードなので覚えておきましょう。 またこのデッキでは《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》や《道化の帽子/Jester’s Cap》は《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》のお陰で繰り返し使えるので便利な対策カードです。 上で紹介したデッキの他にもスタックスには亜種が沢山有ります。 というわけで、そんなスタックスの亜種。 Robert VromanさんのBazaar Stax(※は制限カード、2005年10月30日開催のStarCityGames Power 9 Tournament tournament in Chicago, Illinois, United States優勝)
日本では《姥の仮面/Uba Mask》スタックスとも云われているタイプです。 普通のスタックスとの違いは《Bazaar Of Baghdad》と《姥の仮面/Uba Mask》の採用です。 それに伴い、《からみつく鉄線/Tangle Wire》が抜けていることが多いです。 また、このデッキでは《無のロッド/Null Rod》が(自分もマナアーティファクトを使っていながら)メインに採用されていますが普通はサイドに置かれている事の多いこのカードがメインなのは、当時〜現在のメタゲームによるものかと思われます。 普通のスタックスと違う点がこのデッキの回転力を上げ、《姥の仮面/Uba Mask》が打ち消し呪文の入ったデッキに劇的に刺さります。 一度、廻してみて判ったのですが、このデッキは今のヴィンテージで本当に強い。 特に《姥の仮面/Uba Mask》と《虚空の杯/Chalice of the Void》があれば、《からみつく鉄線/Tangle Wire》は要らない感じです。 また、《煙突/Smokestack》がナチュラルに環境にマッチしています。 あと、サイドで変わったカードとして《石揺すりのシャーマン/Stoneshaker Shaman》がありますが、思っている以上の働きをします。 こちらは当然メインでマナは使い切る事が殆どですから。 個人的には《蛮族のリング/Barbarian Ring》は2〜3枚に抑えた方が良いかなと思ったくらいです。 因みに使い方は要練習なのは毎度の事ですが、一応忠告。 ああ、あと《Bazaar Of Baghdad》は土地ですがマナは出ません(あくまでドロー強化と墓地肥やしのカード)ので注意。 |