去りゆく老兵達(オンスロートブロック編)第1回 白

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今年もまたスタンダードの入れ替わりの季節がやってまいりました。
今回引退するのはオンスロートブロック。
スタンダード入りしたときは「オデッセイブロックに比べてどうなのよ?」とささやかれたものですが、時が過ぎれば相応の居場所をみつけたようでちゃんとデッキの中核として、あるいはガッチリと脇を固め頑張ってますよね。
というワケで今回はいなくなっちゃう人を惜しみつつ、次はどうしようかなあとか考えてみたりしたい所存。

例によって色のサイクルに従って白から。

《アクローマの復讐/Akroma's Vengeance》…究極リセットであり、少々重いながらサイクリングもついている。
デッキに入ってると安心できるお守りにして親和への根本的な解答足りえた一枚。

《金粉の光/Gilded Light》…コンボデッキへのお手軽なカウンター。
類似品に《真実の信仰者/True Believer》もあったものの、こちらはもう一つふるわなかったような気が。

《霊体の地滑り/Astral Slide》…あるときは相手の攻撃を撹乱し、あるときは自軍の生物の危機を救い、またあるときは187生物を消してアドヴァンテージを稼ぎ…と味方につけて頼もしく敵に回せばウザイことこの上なし。
ブロック構築を席巻し、スタンダードでも忘れたころに帰ってくるサイクリングデッキの屋台骨。

《新たな信仰/Renewed Faith》…カードを引いて2点か、それとも3マナ払ってドバっと6点もらうか。
素で撃ってもサイクリングしてもおいしいカードシリーズの代表格。
赤いデッキを使ってて、この1枚に泣かされたことは結構あったりなかったり。

《賛美されし天使/Exalted Angel》…帰ってきた《戦天使/Warrior Angel》。
とはいえ一回り大きく、そしてはるかに早いターンに出現する異様なまでの頼もしさはコントロールデッキのみならずボコボコ殴りにくるデッキでも活躍。
優雅に空を舞うその雄姿を見上げつつ一向に減らない相手のライフとみるみる減ってく自分のライフを考えて世の不条理さを噛みしめた経験のある人は少なくないはず。

《雨ざらしの旅人/Weathered Wayfarer》…こちらは帰ってきた《土地税/Land Tax》。
クリーチャーだけあって儲かる前に儚くもこの世を去ること多数あれど、土地ならなんでも持ってきてよいというその気前のよさは《雲上の座/Cloudpost》を3枚くらいもらえた時に実感したものですが。

《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath》…歴代天使中「墓地から釣り上げたい天使第1位」(厚生省調べ)。
天に寵愛されっぷりをひけらかすよな多彩ブリにリアニメートのみならず、ブロック構築では素で手札からポロリと出てくることも多数。

《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》…序盤の白マナを安定供給、終盤は不死身のフィニッシャー。
出た当初は「使えるのか?」と疑問の声もあったものの、今や白いデッキを組む上で必須といっても過言ではなくなったような…。

《正義の命令/Decree of Justice》…《ミラーリの目覚め/Mirari's Wake》デッキで一躍悪名を轟かせた兵士量産インスタント。
ごく稀に天使を量産するソーサリーだったような気がせんでもないですが。
《ミラーリの目覚め/Mirari's Wake》が落ちた際、今後の有用性が問われちゃったりしたこともあったものの結局最後まで使われつづけてはや二年…もう二年。
こいつのせいで《動員令/Mobilization》が霞んだという噂も。

《翼の破片/Wing Shards》…《神の怒り/Wrath of God》までの時間稼ぎ。
ゴブリンのように速攻つけてくるデッキ相手にはこいつ自身が《神の怒り/Wrath of God》風味のインスタントになることもなくはなし。
殴ってこない人には手を出せないのがタマに傷。

《銀騎士/Silver Knight》…本家《白騎士/White Knight》はあまり出番が無かったのに対して、赤の天下に便乗して株を上げたのがこちら。
ブロック構築で白いデッキに必須だったのみならず、スタンダードでも《崇拝/Worship》と組んで特定の人々を悶絶させたのは誰かさんのトラウマとして末永く語られるに違げえねえ。
《ダールの降霊者/Daru Spiritualist》…最近、影の薄いクレリックデッキですが無限ライフ獲得コンボの重要な柱がコイツ。そもそも大抵のクレリックがごっそり退場するのでデッキの根底がぶっ飛んでしまうんですが。

昨今の構築環境を鑑みるに、白が支えているデッキタイプと言えばサイクリングと白青コントロール。
どちらも《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》や《アクローマの復讐/Akroma's Vengeance》がデッキを支えているので引退はかなりの痛手。
というかサイクリングはエターナルスライドも白赤サイクリングも「サイクリング」という能力そのものが消えてしまうので存続が不可能なんですが。

その他の白系のコントロールを支えているのは現在の白が誇るコントロール向けカード群。
《アクローマの復讐》、《永遠のドラゴン》、《賛美されし天使》の御三家+《正義の命令》あたり。
《賛美されし天使》は《原野の脈動/Pulse of the Fields》でライフゲインは効くので(もちろんフィニッシャーにはなってくれないんですが)なんとかなるとして、問題は《アクローマの復讐》。
神河のスポイラーを見る限りリセットボタンは※《浄火明神/Myojin of Cleansing Fire》のみ。
コストの重い軽いは抜きにしても効果として5枚目の《神の怒り/Wrath of God》なので《アクローマの復讐》の代わりにはならなそうです。
となるとリセットボタンが足りないと感じたら《忘却石/Oblivion Stone》で埋めざるを得ないようです。

《永遠のドラゴン》も土地検索に関しては ※《旅行者の凧/Journeyer's Kite》でも代用が効きそうですがやっぱコイツもフィニッシャーにはなってくれないんですよね。

《翼の破片》は※《Reciprocate》がどうにかしてくれるかも。
いっぺんダメージを食らわなきゃならないので親和みたいに一発が重いデッキには間に合わない可能性もあるものの、コストが軽いのでそれなりに魅力もあるかと。

コントロール以外の白はほとんど見えないのでウィニークリーチャーの引退は環境にそれほど影響を及ぼさないっぽいですが、いざウィニーを組もうと思った時には選択肢が少なくなってるのは確か。
高性能なクリーチャーも結構供給されてるようですが、ほとんどが「伝説のクリーチャー」と書いてあるので数を並べる戦略とは今ひとつかみ合わない気もせんでもないですが。

とりあえず、コントロール系の白はフィニッシャーとリセットボタンの代えを探すのが急務。
ウィニー系は搭載するクリーチャーの選択、数のバランスをどれだけとれるかがデッキビルダーの腕を問われる部分になるかも知れませんね。

※《浄火明神/Myojin of Cleansing Fire》伝説のクリーチャー ― スピリット (5)(白)(白)(白)
浄火明神は、これがあなたの手札からプレイされた場合、その上に神性カウンターが1個置かれた状態で場に出る。
浄火明神の上に神性カウンターが置かれている限り、これは破壊されない。
浄火明神から神性カウンターを1個取り除く:他の各クリーチャーを破壊する。
4/6

※《Reciprocate》インスタント (白)
このターン、あなたにダメージを与えたクリーチャー1体を対象とし、それをゲームから取り除く。

※《旅行者の凧/Journeyer's Kite》アーティファクト (2)
(3),(T):あなたのライブラリーから基本地形カードを1枚探す。それを公開し、あなたの手札に加える。その後、あなたのライブラリーを切り直す。