去りゆく老兵達(オデッセイブロック編)第5回 緑

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今年もまたスタンダードの入れ替わりの季節がやってまいりました。
今回脱落するのはオデッセイブロック。
フラッシュバックやマッドネスといった簡単にアドバンテージを生み出すシステムを数多く提供した強力なブロックだっただけに環境に及ぼす影響は大きそうです。
そこでまずは環境落ちで影響の大きそうなカードを色別にピックアップし、それから各デッキタイプごとの影響を考えるという形で話を進めてみたいと思います。

第5回は緑。
各種UG、WGビートダウン、ステロイドと緑のカードを使用したデッキが活躍した環境だっただけにオデッセイブロックの脱落がスタンダードの緑に与える影響は大きいと思われますがさてさて…。


《野生の雑種犬/Wild Mongrel》
コイツが史上最強の「熊」だったのは誰もが認めるところでしょう。
ディスカードエンジンとして優秀なのはもちろん、単体のクリーチャーしてみてもその生存性の高さは自分で使って頼もしく相手にするとウンザリ。

《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla》、《尊大なワーム/Arrogant Wurm》
どちらもマッドネスを使用することで早いターンに、しかもインスタントタイミングで場に出すことができるビートダウンクリーチャー。
特に《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla》はただ1ターン目に出すだけで次のターンから3点ダメージクロックをかける事ができたので単品で使用してもそれなりの性能。

《熊人間/Werebear》、《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》、《土を食うもの/Terravore》
墓地にカードが埋まればよくわからないコストパフォーマンスを発揮し始める一団。
前者2つはスレッショルドすれば、後者は土地が埋まってるだけ強くなります。
序盤はそれなりのサイズ、後半引いてもそれなりのサイズで腐らない人達。
8manはワイルドファイア系のデッキでは核、それ以外のデッキでも出番はあったはず。

《獣群の呼び声/Call of the Herd》、《ワームの咆哮/Roar of the Wurm》
カード1枚でクリーチャーが2体生産可能。
ただ使っても儲かる上に《ワームの咆哮/Roar of the Wurm》は捨ててから使用すると4マナ6/6でビートダウンクリーチャーとしても優秀。

《起源/Genesis》
埋めておけばクリーチャーが何でも再利用可能になる悪の物件。
クリーチャー主体のコントロールデッキでアドバンテージを稼ぎ出すためのエンジンとしても、ビートダウンデッキの息切れ防止としても、最悪《起源/Genesis》自体が自力で帰ってこれる4/4クリーチャーとして使用可能。
マナ喰い虫な点以外は特にデメリットもない墓地再利用カード。

《幻影のケンタウロス/Phantom Centaur》
4マナ5/3、プロテクション(黒)、挙句ダメージではなかなか死なないタフガイ。
コイツのせいで《アーナム・ジン/Erhnam Djinn》が霞んで消えました。

《象の導き/Elephant Guide》
貼っとくだけで+3/+3。
エンチャントされたクリーチャーが死んでも3/3トークンが残るので損することは少ないし、上のケンタウロスにつければダメージでは死なないクリーチャーが作成可能。
序盤の展開を一気に加速してくれたり。

《生ける願い/Living Wish》
緑なんでクリーチャーを持ってこれるのはよくわかるんですが、何故か土地まで持ってこれるんですよねコレ。
サイドから厄介なパーマネントを除去できるクリーチャーを持ってこれるのはもちろん《ナントゥーコの僧院/Nantuko Monastery》や《争乱の崖地/Contested Cliffs》など便利な土地を入手するのも可。

《一瞬の平和/Moment's Peace(OD)》
1枚で2ターンは稼ぎ出すクリーチャーデッキにとっては非常に鬱陶しいカード。
ウェイクなど緑を絡めた遅めのデッキの序盤をガッチリと支える1枚。

《クローサ流再利用/Krosan Reclamation》
場に深刻な影響を及ぼすカードが数多く存在する環境においては重要な墓地掃除手段。
自分の墓地をライブラリに積み直す手段としても使えて便利なので様々なデッキで使用されました。

《地図作り/Cartographer》
サイクリングデッキでしか使われていませんでしたが、こいつが消えることで土地を拾って循環させるエンジンはつかえなくなります。
ということはもう、サイクリングに緑を入れる旨みがほぼ無くなるということに。


上のモノ以外にも《郷愁的な夢/Nostalgic Dreams》、《灰毛の定め/Grizzly Fate》、《ワームの突進/Crush of Wurms》、《種蒔き時/Seedtime》、《踏み荒らし/Overrun》、《森を護る者/Sylvan Safekeeper(JUD)》などあると便利やむしろこれから先で欲しいカードなどいろいろどっさりと落ちます。
ジャッジメントが白と緑のエキスパンションだったのはもちろんですが、オデッセイブロック全体が緑の強いエキスパンションだったので仕方が無いかと。
この辺の生物がごっそり落ちる影響はかなり大きいので最後の回にまとめて考えてみたいと思います。
ただ、パッと見ただけでも上で最初に挙げたデッキはことごとく被害を被るのはマチガイないかと。