主任@HAMA研道中記
文:主任@HAMA研

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はい、えーとですね、来年でマジック発売から十周年になるそうで。
で、発売十周年記念イベントの説明会なる企画の通知がきたわけですな。
で、ゼロ店長が

「主任、東京行く?」

て聞いてきたので

「はい」

と笑顔で即答。
急きょ東京行きとなった次第。
まあ、東京なら全く知らない土地ではなし。
ひどく迷うという事態は無いと踏んで当日の午前中着の便を予約。
朝クソッ早い時間に空港に行くハメになる以外はさしたる問題もなく旅程は進み無事に浜松町に到着。
そして信じがたいことに、方向オンチの僕が一発で会場のホテルにたどり着く怪現象が観測されてみたり。
あまりにもうまくコトが進みすぎ。
どっかに落とし穴が無いのかしらん。
で件の会場のホールに入ると

「○田様 ○井様結婚披露宴会場」

の立て看板。
よかった、間に合った。
でも僕、ご祝儀包むの忘れてきちゃったよ。
さすがに茶封筒じゃマズイかなあ。

じゃなくて…。

披露宴て何?
結婚式なんかに呼ばれた記憶はなくてよ。
OK、とりあえずトイレにでも行って落ち着こう。
この状況で考えられるのは

@会場を間違えた
NOそれはない、地図も確認、ここに間違いない。

A日時を間違えた
それだ。
それしかない。
旧世紀の漫画みたいな有り得ないオチだが。

で、店長に確認すると概ね事実であると認めやがった。
このまま明日まで待つのはちと無理があるので予定変更して池袋のカードゲームフェスタを見物することに。

ホントに久しぶりに池袋にきたので見物ついでにぶらぶらしながら会場を探すも、だいたいサンシャインの近くとしか知らんので見つかるわけもなく。
そもそもサンシャインに行き着けないというちょっと有り得ない方向オンチぶりを自分で実感→有り得ん。
何せ目標が見えているのに方向を間違えるのだからたいしたものである。
このままではラチがあかないので近所のア○メイトに入ってイベントポスターを探すと案の定貼ってある。
おかげで会場の場所も確認できたのでそっちに足を向けると一目でソレとわかる人々が目につき始める。
で、会場を覗いてみると、いるいるいるよソレな人が。
一人二人だけならまあアレなんですがこれだけの人数集めるとナニヤラ壮観ですらある。気がする。するんじゃい。
とりあえず会場内を一周してからガンスリンガーを見物にいくとそこには僕が敬愛してやまない真木さんの姿が。
とりあえず貼り付いて見物。
ん、さすがは強豪。
動きからして違う。
何とも言えない滑らかなヌメっとした動きってんですか?ホメてるですよ。
是非見習おうと心に決めるが、得たものはそれだけかと突っ込まれたらその通りと答えるより他無し。
っていうかディズニーアニメバリに滑らかな動きに魅入られそれ以外何にも見てませんでした。
フジケンさんとかもいたのに、もったいない限りである。

あとは結構シングルが安かったので、その辺ドカ買いして帰って寝ることに。

あと、シャレでコインを突っ込んだキャッチャーで何やら200円で異様なほど巨大なビグザムをゲット。
うれしいことはうれしいものの初日から大荷物を増やしてしまい、明日からの移動を考えると超ブルー。
微妙。

で、日付変更線を跨いで説明会当日。

まずは日時を確認。

間違いない、今日で正解。
昨日のような失態は繰り返さないことを心に固く誓ってみたり。

で、図らずも昨日で会場の下見はできているのでつつがなく到着。
妙に格式高そうなホテルであるが、いつものごとくきわめてラフな服装のために周囲の空気から浮きに浮きまくって成層圏突破寸前。
しかしそんなことは気にもせず。
なんせ僕の本来の目的は観光。
あくまでそのついでに店長に同行してきただけである。
スーツなんて持ってきて余計な手荷物を増やしてなるものか。

さて、明らかに僕のそぐわない、きれいな会場に案内されて何がビビッたって

招待状か名刺をお願いいたします。

FAXで参加希望の申し込みしただけでOKだったんじゃないんですか?
そもそもOKなのかどうかの通知もこなかったので電話で確認したときは「手ぶらでOK」って返事もらったのに。

まあ、結論は名簿に名前書くだけでOKだったんですが。
しょっぱなからいらんプレッシャー。

で会場に入るとズラッと円卓が用意され、ゾロゾロ入ってくるスーツの重役っぽい人々の軍団。
小売よりも問屋の方々が多いような雰囲気。
そして居並ぶHJ社とWoC社の重役の方々。

空気が重い。

しかしここでビビる男ではなくってよ。
なんせ、ここにいるのはマジックを販売している総元締めの皆様。
ということはほぼタダのユーザーに等しい僕は「お客様は神様です」という商売の鉄則に照らして鑑みるに

今この室内でもっとも神に近い男

ということである。
まあ、邪魔にならないように隅っこの席にでも座ってようと思ったら、気をきかせてくれたHJ社の副社長自らドまん前の席にご案内してくれちゃったりして

大ピンチ。

周囲をビジネスライクな人々に包囲された形で説明会スタート。
まずはHJ、WoC社から出席した方々の紹介から。
その肩書きの豪華さもさることながらサイドボードとか読んでればいやでも目に付く有名人が結構来ていてドキドキ。
そしてFAXされてきた参加者リストにはなかった

ロン・フォスター

が居られる。

神に等しい僕の立場を脅かす究極のユーザーだった人が出現、強敵である。
その後、手元の資料と共にプロジェクターでパソコンの画面を表示しつつ進む予定との説明を受けるも、パソコンの操作卓にHJ社の会田さんが座った時点で僕の中の期待値ゲージがMAXを記録。

会田マシーンがタダで終わるわけが無い。

で、華々しく開会が宣言され話が始まるも凍りついたまま動かない画面。

「すいません、マシンがフリーズしました。」

流石である。
期待を裏切らない堂々のスタート。
しかし、発表会の内容自体はもう一声。
もう少し突っ込んだ内容を期待したものの、わかり易い部分は質問の余地無し、聞きたい部分は全部未定と煮え切らない。
そこで発表会で聞けた内容、僕の興味のある順にまとめてみました。

10周年記念イベントについて

新規、カジュアル層向けのイベント
・一般公募カードコンテスト
・初心者講習会
・景品付きミニイベント
・カードミュージアム(今までに刷られたカードをすべて展示)


コアユーザー向けのイベント
・グランプリ横浜
・ジュニア日本選手権(全国で開催されるジュニアリーグトーナメント優勝者に参加権が与えられる予定らしい)
・高校選手権決勝大会(例年通り)
・アマチュアオープントーナメント


トークンフィギュアキャンペーンについて
・期間2002年12月2日〜2003年1月31日
・対象商品は日本語版の7版、オデッセイ、トーメント、ジャッジメント
・公式戦でも使用可能
・各フィギアは全長約3センチ
・全五種(ゾンビ、ドラゴン、象、ワーム、シークレット)

・パワー/タフネス、能力表示、タップ・アンタップ表示有
・ランダムで発送(ランドのように期間中にサプライ切れがないよう、今回は充分な数を用意だそうです)


新製品について
レギオン
・2003年2月3日発売予定
・全143種類
・変異&部族のコンセプトを引き続き継続
・あの人気クリーチャータイプの復活

スカージ
・2003年6月頃発売予定
・全143種類を予定
以上の情報無し

第8版
・2003年7月頃発売予定
・今回はトーナメントパックの発売予定有

以上の情報無し


プレイヤーとしては関係ないかも知んないけど

ショップサポート
・オンスロート同様、パックをまとめて買うとレギオンのカードがおまけで付いてくるプレビューカードキャンペーン

・トーナメントのサポートの充実(運営そのもののサポートというよりは参加者層ごとに細かく設定されたイベントプランを用意する方向で対応)


アリーナリーグ
・今までと違い、新アリーナは開催時期を開催する店舗側で自由に設定できるようになる。

・参加賞の絵違いランドの復活

・更なる参加賞としてマナシンボルピンバッチが追加


以上。

で、説明会のあと質疑応答。
以前日誌でも書いたように「フライデーナイトマジックは地域にあわせて日程を自由に変更できるようにしてもよいのでは」という疑問をぶつけてみたりした訳ですよ。

「我々がこのスタイルを最初に始めた時、アメリカ国内でももう少し柔軟に日程が組めるようにしてもよいのではないかという意見が多数出た。
しかし、結果として成功をおさめている。
ヨーロッパに導入した時も同様の意見が多数出たが、やはり同様に成功をおさめた。
我々はこのスタイルが日本においても同様に成功をおさめると確信している。」

というような回答が。

うーむ、都市部ならともかく地方ではちょいとキツイので言ってることなんですが。
で、その後も「マジックは他のゲームのようにプロモカードなどでの販売促進の計画はないのか?」「スポイラーが流出するようなら問屋の発注参考にしたいので早めに発表できないのか?」などの質問が続き、なかなか緊迫感のある展開。
「長期的に販売していくことを考えると、顧客の一時的な機嫌取りに過ぎないオリジナルプロモは戦略としてあっていないと考えている。
さらに言うならマジックは競技としての公平性を重視している。
誰でもすべてのカードを手にすることができるという環境を維持することが寄り多くの人々をこのゲームに惹きつけることにつながると考える。」
「開発に関わる人数の多さが情報の流失を押さえることの困難さにつながっている。とはいえ我々はこの流失を容認するつもりはない。
流出ルートの特定には全力を尽くしているし、見つければ処断もしている。
とはいえ、情報元に流す意図がなくても流出する事故がある。
よって完全に0にするということはできないが今後も全力を尽くすつもりだ。」

というような回答が。

その後、軽食を交えた懇親会ですが、やってきちゃった訳ですよ

ロンさんがクリスさんと一緒に。

フライデーナイトマジックに関する質問をしたのが我がチームだったので先ほどの質疑応答のフォローを兼ねて真っ先にやってきてくれたらしく。
「フライデーナイトマジックですが、我々としてはコレを世界中で通用するイベントとして通用するようにしたいというのもあるんですよ。」
と先ほどの説明を補足する形で話がスタート。
WoCとしては「スタンダードのデッキを一個もってさえいれば、世界中どこに行っても金曜の夜はマジックができる」という状況を作り上げるのが最終的な到達点のような感じで。
もし実現するならマジックプレイヤーとしては非常に壮大かつ嬉しい話である。
そのためには当然マジックが世界共通で普遍的に遊んでもらえるゲームであることが必要なわけで、非常に覇気に満ち満ちたコメントとも受け取れる。
実に頼もしいですな。
叩くと返るこの状況に気を良くして、調子にのり個人的に気になっていたような質問を次々浴びせてみても全部懇切丁寧に答えてくれるその姿勢に大変感動。
「以前、エクステンデッドのカードプールが変更された時、DCIは今回落ちたプールをもカバーするような新たなレギュレーションを作るつもりがあるというような話があったが、実際どうなのか?」「この先、新たなプレイヤーを取り込む上でコンスタントに大会を開いていくのは大事なことだと思うが、主催者側や運営側の人々の待遇を改善できないか?」とか「ネットと小売の価格の激しい差は一体どこからくるのよ」とか、ぶっちゃけ「もう少し辺境のユーザーにも優しい、気軽に遊べる環境はできんのか」というような質問をぶつけてみた訳で。

「そもそもレギュレーションというもの自体、誰もが手に入れられる公平なカードプールという環境を整備する為にある。
その意味において今回のエクステンデッドの改変は、とてもよいものであると我々は考えています。
確かに古いカード資産はもったいないかも知れませんが、それはタイプ1,5もしくはタイプ1で使えるでしょう。
重要なのは誰もが参加できるということです。
実のところ、レギュレーションごとに禁止カードなども多く、プレイヤーがそれを把握するのはどんどん大変になっています。
我々は、今のブロック限定、スタンダード、エクステンデッド、クラッシックという枠組みだけでも多すぎるのではないかと心配しています。」


「確かに、地方で大会を開くのは大変かも知れない。
しかし、我々はそのために様々なユーザーに合わせて多数のプログラムを用意している最中である。
当然、一発で完全なプログラムを組むことはできないがそれは一度運営してみてから問題点を徐々に解決していくことで対応できると考えている。
正直、一つ一つの大会を完全にサポートすることはできないが、いずれ総括的に色々なユーザーに合わせたプログラムを用意できるものと思う。
ボランティアで運営やジャッジをやってくれている人々には申し訳ないがすべての面倒を見ることはできない。
それでも、ジャッジなどは特に公認ジャッジとして収入を得る道も開かれている。
我々はより多くのプレイヤーを求めると同時に、より多くのジャッジも必要とするようになる。」

「商品の値段のことは僕らの担当ではないので、あそこに居るアダチ君を呼んでくるね。
ヤツが担当だからシメちゃってもいいヨ。」

というよな大変明確な回答をいただけました。
ただし、上の回答は僕が聞いた内容を端折ったものなので公式な意見として読まないでくださいな。
ただ、こんな感じの回答があったよという参考程度にとどめてもらえればちょうど良いでしょう。

お金の流れの話も忌憚なく説明があったりしましたが、それはココの内容にふさわしくないのでカット。
ただ、「マジックって消費税入ると500円超えちゃって、ワンコインで変えないんですよ。何とかなりませんか?」という非常にストレートな質問に対して「いくらならワンコインでいけますか?善処しますよ。」と言ってもらえたのはたとえリップサービスだったとしても力強かったり。
是非是非、実現の程を。
実際、500円玉一個握りしめてパックを買いにやってくる子供を見ると消費税をつけるのが心苦しいこと甚だし。
しょうがないのでZEROでは消費税をサービスしてますが、小売としてはかなり苦しいワケで。
でも、ココはメーカーよりも先に全く効果の見えない国の経済対策を叩くべきなのかしらん。

今回、いろいろ興味のある話を聞くことができましたが最大の問題はWoC社とHJ社、さらにその内部の上下で連絡がうまくいってないのでは?ということでした。
実際、今回の説明会の参加に関する連絡もそうですが、当然、小売店もしくは主催者側に連絡されていてしかるべき項目が通知されていないというケースが思ったよりも多く発生しているようなのですよ。
プログラムを組む側としては主催がやりやすいようにジュニアトーナメントの開催最低人数を減らしたり、主催とジャッジが兼任できるように変更したり、書類の不備があればそれを訂正したりという作業をかなり行っているようです。
実際に定員割れして開催できなかった件数や、製品に対するオンラインでのアンケートなどユーザーの意見を取り入れようと積極的に動いてる節は多々あるのですが、そこで改善されたポイントが現場に通知されてません。
例えば、こちらから申し込んだ公認大会などなら自分でその辺の開催規約をチェックするのは当事者の義務になるかもしれませんが、少なくともHJ社辺りから開催しませんか?と言ってきたトーナメントに関してはその辺をガッチリサポートする義務が企画側にあると思うんですよ。
しかし、最近送られてくる書類は最低限必要なものだけで、書類の記入例すら入ってないことが多々あるわけで。
どこかで仕事だから仕方なくって感じで作業してる人が挟まっていて、どうせただのゲームなんだからイイじゃないってな感じでテキトーに処理してるのではないかと。
万事に渡ってそういう調子ではユーザー離れを招くので是非今後御一考をということで時間もやってきたのでお開きになりました。
懇親会の後半、もっと聞いてみたいことはあったものの朝食ったサンドイッチのハムに当たって便所でゲロはいてたのが惜しまれてなりません。
戻ってきたらお開きになってました。
やはり肉はダメな体質のようで。

とりあえず、両社ともにマジックを大々的に売っていくつもりは大いにあるようです。
そういう気概は感じられた、是非この先も僕らが気持ちよく遊んでいけるように。
頑張っていただきたいとこですね。

ココで一仕事終わったので品川まで出かけて天ぷら食って帰ることに。
(なんせさっき胃の中身を空っぽにしてきたトコなので)
知ってる人しか知らないと思いますが、沖縄の天ぷらって不味いんですよ。
あ、他の食い物は美味いんですよ。
しかし天ぷらの衣が分厚くボテっとしていて油っぽくていただけない。
それでも時間が余ったので中華街まで出かけて変な土産もんを買い込んで寝る。

次の日は延々と美術館からアキバ経由で浅草見物と謎のルート経由で観光して次の日帰郷。
何とか沖縄まで帰り着いて疲労困憊。
そんな状態でどうにかこの文章をでっち上げたので、何処かに間違いや失礼があったら誠にすいません。
苦情その他なにかあったら通常掲示板の方までお願いします。