発掘であるである大事典

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あなたは初手2枚の土地に騙されたことはありませんか?
12枚入っているはずの除去が引けない!?
今カードを思うように引けない現代人が急増中!
そんな閉塞したスタンダード状況をわれわれであるである調査隊が追求。
<テフェリーの細工箱>に隠された脅威のデッキ検索パワーを今夜徹底解明!

主任: という訳で始まりました発掘であるである大事典、今回のテーマは<テフェリーの細工箱>ということですが。
所長: <細工箱>はねー、正直なんで<ボール・ライトニング>が落ちてこんなややこしいカードが基本セットに残っているのか謎ですよねー。僕は使いませんね、こんなカード。
主任: まあそれはこれから見ていきましょう。それでは今夜のゲストの方たちです。みなさん<細工箱>は?
Iくん: 一応、名前は知ってます。ビジョンズとかその辺のヤツですよね。まあ、使ったことはあんまりないです、持ってなかったし。
Mさん: フリーデュエルでなら使ったことはある。でも、うーん、なんだろ、結局トーナメントでは使わんよね。効果ややこしいと相手もごねるし。
主任: ドロー強化のほうは普段は何を使ってます?
Iくん: 僕は<嘘か真か>とか<選択>とかが多いです。
Mさん: 僕も<選択>とかその辺。
主任: ひげ先生は<細工箱>は?
ひげ: ちょっ強。コンボ。
所長: 相変わらず君は日本語しゃべらんね。

あるある会員にも同様のアンケートをしてみたところ、<細工箱>の名前は知っていても使ったことはないという回答が最も多かった。ドロー強化として<嘘か真か>や<選択>のほかに<綿密な分析>や<ファイレクシアの闘技場>といったカードも挙げられた。なかにはこんな人も。

りょう: 僕は普段から緑を使ってるんですけど、緑にはドロー強化がないので完全に割り切ってます。その日の引きの良さは人間力次第。
主任: さて、冒頭でもお伝えしたように、現代人は引きが弱くなっているということなんですが。
所長: 僕なんかあれですけどね、赤青ミラーリデッキで引けども引けども出てくるカードはバウンスと数枚のカウンター、あとは延々土地ばかりとかよくありますけど。なんか動きがカウンターの超少ないビックブルーみたいな。超弱い、そんなデッキ(笑)。俺の豊富な除去はどこいったのっていう。君は相当引き悪いよね。
主任: はい、笑えるぐらい。だから僕、青以外のデッキ回せない。
Iくん: 僕は最近良くなった方なんですよ。たまにマジックすると良くなる感じ。
Mさん: 僕はダメ。悪い。ライブラリー操作とか、その辺のカードで無理矢理デッキ回してる。だから他の人のデッキ見ても、あれは僕の感覚ではもっと、何、そういうカードがないと恐い。
Iくん: 所長はドロー良いですよ。トップデックしてるシーンをよく見る。
所長: ああ、たまーにマジックやるとね、トップデックするよね僕。確かに。」
Iくん: <のぞき見>で安全確認したはずなのになんで僕のフィンケル君は即死ぬの?みたいな。
所長: (笑)まあまあ。ヒゲ先生はドローとかどんな感じ?
ひげ: リーダーよりは悪い。
所長: いやいや、その基準がわからん(笑)。
ひげ: トップデック!って叫ぶと少し良くなる。
所長: ガハハ、本当に?じゃあ今度から俺もやるよ。つーかもう、それでいいじゃん。<細工箱>とかいいよ、もう。
主任: それはこのコーナー全否定だからやめて。嘘ですよ、そんなの。まあ、本当に現代人の引きが悪くなっているのかということをわれわれあるある隊が調べてまいりました。それではさっそく大事典開いてみましょう。


引きが悪いと感じる現代人が急増中。果たしてその原因は何なのか?


具志川市に住む芸大生のM・A(24)さん。彼は慢性的なドロー不振に悩んでいる。
「普段はドロー強化に<嘘か真か>とか<洞察のひらめき>を使ってます。でも最近は<種蒔き時>とか打たれるし、あとやっぱりカウンターされる。だからますます人よりドロー強化とカウンターが多くなるっていう。本当に入れたいカードが少ししか入らない。もう最近は青ばっかり使ってます。たまにはどっかの外人みたいに、サイドなしの緑単とかで優勝してみたいです。」

そんなM・Aさんの普段のデュエルを見てみると・・・

1ターン目 M・Aさんの初手は<島><島><選択><排撃><記憶の欠落><激動><堂々巡り>と、<激動>が初手にあるのが気になるものの、まずまずの手札です。当然マリガンなしでスタートしました。<島>をセットしてエンド。
2ターン目 相手は今引きファイターのひとしさん。ドローして<森>セットから<日を浴びるルートワラ>をプレイ。最近組んだロケットシューズのようです。ターンエンド時にM・Aさんは<選択>をプレイしました。めくったカードは<サイカトグ>です。M・Aさんはこれをパスして次のカードをめくることを選びました。すると次のカードはなんと<激動>。M・Aさん、かなりがっかりした様子。
3ターン目 気を取り直してドローしたカードは<嘘か真か>。この時点でかなり悪い予感がします。
4ターン目 相手は<森>をセットして<野生の雑種犬>をプレイしようとしますが、M・Aさんはこれを<記憶の欠落>します。少しでも時間を稼ぎたいようです。その後ワラに殴られ1点のダメージを受けました。
5ターン目 何としても土地を引きたいM・Aさんですが、引いたカードは<チェイナーの布告>。何でも良いから土地を引けば手札の<排撃>が打てたのですが。
6ターン目 ひとしさんはさっきの<犬>をプレイしました。さらに<山>セットからの<無謀なる突進>。なす術もなくM・Aさんはワラと合わせて6点のダメージを受けてしまいました。
7ターン目 M・Aさんのドローは<狡猾な願い>。これも3マナなので打てません。またしても何も出来ずにエンド宣言をします。
8ターン目 調子にのった相手は<ワラ>をパンプして5点のダメージ。さらに<ラノワールのエルフ>までプレイしました。
9ターン目 いい加減土地を引きたいところですが、よりにもよって引いたのは<塩の湿地>。結局3マナが揃わずそのまま投了という結果になりました。


今このように初手に騙されてプレイしたものの、後続が続かずにそのまま投了、「何がしたいデッキなのかわかんなかった」と対戦相手にいわれる現代人が増えています。専門家の方に話をうかがってみると、

大田た○お教授(琉球大学 小児科教授)
「最近、欲しいカードをうまく引けないという人がここ数年で急激に増えています。その原因として、一つには現スタンダード環境が多色化しているということと、もう一つには、現在では昔ほど優れたドロー強化のカードがないということが挙げられると思います。」

時代ごとのドロー強化のカードを見てみると、




時 代

このようにテンペストを境に、ドローパワーは急激に下がっているのがわかります。


所長: このグラフの縦軸の目盛りは何?引ける枚数?<嘘か真か>は5枚めくれるけど。
主任: 単位は「枚」じゃあないですね。何ていうの・・・インパクト?パッと見の。あまり深く考えないで。


石田○じめ教授(琉球大学 第T解剖学教授)
「<Ancestral Recall>ほどではないにしろ、現代には驚くほどインパクトのあるドローマシンがあります。それが<テフェリーの細工箱>なんです。」

<Teferi's Puzzule Box/テフェリーの細工箱> D
アーティファクト  レア
各プレイヤーのドロー・ステップの開始時、そのプレイヤーは自分の手札を自分のライブラリーの下に置き、そのあと、置いたカードに等しい枚数のカードを引く


「このカードは無色なので色事故を起こすこともなく、また、一度場に出てしまえばあとはマナなしで起動するので、現代人がよく陥る<嘘か真か>を打ったターンは何も出来ない、というような状況を回避することが出来ます。さらに<種蒔き時>や<撹乱>のように、相手に対応されたりカウンターされたりという危険性もありません。まさに現スタンダードのためのカードといえます。」


主任: では恒例の並べ替えをしてみましょう。

用意されたカードは<嘘か真か><洞察のひらめき><綿密な分析><テフェリーの細工箱><霊感>の5枚。これを最もライブラリーを掘り進める順に並べ替えてもらいます。
ゲストの皆さん、やはりカードのイメージだけでカードを並べています。順位は下から<霊感><綿密な分析><テフェリーの細工箱><嘘か真か><洞察のひらめき>と予想しました。
はたして正解は?


主任: 5位は<霊感>で皆さん正解です。デッキに4枚入れたとして4×2=8枚しか掘れません。
所長: まあコモンだしね。
主任: 4位も<綿密な分析>で正解ですね。これはフラッシュバックがあるので<霊感>のさらに倍の16枚です。まあ4回もフラッシュバックコスト払えないと思いますが。第3位はなんと<嘘か真か>で、掘れる枚数は5×4=20枚です。
所長: 案外少ないね。もっと掘れるイメージあるけど。これが3位で、2位1位はどのぐらい掘るんだろうね。
主任: 第2位は<洞察のひらめき>です。ちょっと計算が必要なんですが、デッキに入っている土地が24枚だとして、<洞察のひらめき>の最初の2マナを引けばX=22、4枚では88枚掘れます。さらにフラッシュバックすると、このカード以外の青いカードが20枚として、88+20=108枚掘ることが出来ます。
所長: おお、108枚、恐ろしい。1枚でデッキを2周ぐらい出来そうな勢い。
主任: というわけで1位はもちろん<細工箱>となります。掘れる枚数は・・・ハイこれ∞(無限大)。
ひげ: あいやー、もうデッキ見まくり。コンボ。ちょっ強。


<テフェリーの細工箱>はデッキをくまなく検索できる、事故の多い現スタンダードにおけるドロー強化の救世主と心得よ




主任: さて、<細工箱>ドロー能力はわかった訳ですが、実はまだこの他に<細工箱>には隠れたパワーがあることが最近の研究でわかってきています。一体それはなんなのか、大事典開いて見ましょう。


<テフェリーの細工箱>はただのドローマシンではなかった!
<細工箱>の隠されたもう一つの効用を、最新の科学が徹底解明!


宜野湾市に住む琉大生のH・Aさんは、現在ミラーリデッキをしています。そんな彼の話を聞いてみると、
「苦手なデッキはUGマッドネスとサイカです。僕のデッキは長期戦用なんですが、UGは速い上に、たとえ長引いてもスレッショルドやフラッシュバックがあるので息切れしないんですよ。サイカはやっぱり墓地に充分にカードを蓄えてからの<激動>に勝てません。一時は墓地対策とカウンター対策に黒コンも使ってたんですが、ハンデスとかしてもどちらもマッドネスとかフラッシュバックするんであんまり効かないんです。」

Kさん(帝京大学 スーパードクター)
「2つのデッキに関して共通していえることは、どちらも、ある特定のカードを使用するタイミングが重要であるということです。例えばUGでは<入念な研究>を打たれても、<ワームの咆哮>や<不可思議>などが落ちなければあまり脅威に感じませんし、サイカにしても<サイカトグ>と<激動>が揃わなければ、打たれて致命的になることはまずありません。」

確かに、街の多くのデュエルを見てみると、多くの人が<激動>を序盤に打つのをためらったり、手札に<排撃>があるのにもかかわらず、<野生の雑種犬>にしばらく殴られ続けていました。これは一体どういうことなんでしょうか?

「多くの人が、<排撃>を相手の象トークン用にとっておいたり、カウンターすべきカードに狙いを定めて目の前の<日を浴びるルートワラ>をスルーしたりします。これを【カードの選択的使用】と言います。特定のコンボやシナジィに強く依存しているようなデッキやカウンターデッキでは、例えばチャネルボールやビックブルーなどのデッキでは、特にその行動が強く現れます。<テフェリーの細工箱>では相手の手札も強制的にリフレッシュさせるので、これらのデッキに対して非常に嫌がられます。」


所長: いやあ、これ出されたら確かにチャネルボールは一生打てないね。カウンターも1ターンにせいぜい2回しか打てなくなる。
主任: ではおさらいしてみましょう。



主任: <チャネル>や<排撃>などの使用方法が決まったカードは、それを打つタイミングが重要ですからね。単独で強いというカードではないですから。
所長: 毎ターン強制<変化の風>!相手げんなりだよ。



手札を強制的にリフレッシュさせるということは、多くのデッキの戦闘プランをガタガタにくずすことになるものと心得よ




主任: さて、このことを踏まえたうえで、<細工箱>を最も上手にデッキに組み込むには一体どうしたらいいのでしょうか。<細工箱>と相性のいいカード紹介する為に、次の大事典開いてみましょう。


<細工箱>と相性のいいカードを大公開!
これであなたもメタの頂上に立てる!?



ズバ抜けたデッキ検索能力と、常に手札をリフレッシュさせる効果を充分に活用させるデッキについてこのように宣言する人がいます。

宮本○門(演出家 沖縄好き)
「<テフェリーの細工箱>は手札を一旦0枚にさせますが、これはディスカードではないので相手のマッドネスを誘発させたり墓地を肥やしたりということがありません。かつ、その後はドローなので、<細工箱>と最も相性が良いと言えるのはこのカードだと考えます。」

<盗用/Plagiarize> B青
インスタント  レア
ターン終了時まで、対象のプレイヤー1人がカードを引く場合、代わりに、そのプレイヤーはそのドローを飛ばしてあなたがカードを1枚引く


「これを相手のアップキープに使えば、相手は手札が0になり、かつ自分の手札は倍近くに増えるという訳です。<細工箱>は起動にコストがかからないのでこのようなコンボが決めやすい訳ですね。相手の墓地も肥やさずマッドネスも誘発しないので、これは純粋なアドバンテージです。」

「また、脅威のライブラリー検索能力をメリットとして充分に活用するカードがもう一つあります。それがこの<機知の戦い>です。」


<機知の戦い/Battle of Wits> B青青
エンチャント(場)  レア
あなたのアップキープの開始時、あなたのライブラリーに200枚以上のカードがある場合には、あなたはこのゲームの勝利者となる


「<細工箱>はデッキをものすごい勢いで掘り進めますが、<生体融合帽>のように手札を捨てている訳ではないのでライブラリーの厚さは保ったまま、という効能があるのです。まさに最強のパートナーと言えるでしょう。」
「よって、これら二つのカードを入れたバベルデッキこそが<テフェリーの細工箱>を充分活用できるものであると考えます。」

主任: というわけで、我々あるあるが用意しました。あるある流最強のバベルデッキです。

HAMA研製 バベル
デッキ(241)
英語名 日本語名
43 Island 7E L
24 Swamp 7E L
4 Crosis's Catacombs クローシスの地下墓地 PL U
4 Darkwater Catacombs ダークウォーターの地下墓地 OD R
4 Salt Marsh 塩の湿地 IN U
4 Shivan Reef シヴの浅瀬 AP R
4 Sulfur Vent 硫黄孔 IN C
4 Sulfurous Springs 硫黄泉 7E R
4 Underground River 地底の大河 7E R
4 Urborg Volcano アーボーグの火山 IN U
4 Merfolk Looter マーフォークの物あさり 7E U
4 Abyssal Specter 深淵の死霊 7E U
4 Morgue Toad モルグのヒキガエル PL C
4 Nightscape Familiar 夜景学院の使い魔 PL C
4 Phyrexian Rager ファイレクシアの憤怒鬼 AP C
4 Rotting Giant 朽ちゆく巨人 OD U
4 Flametongue Kavu 火炎舌のカヴー PL U
4 Psychatog サイカトグ OD U
4 Shadowmage Infiltrator 影魔道士の浸透者 OD R
4 Vodalian Zombie ヴォーデイリアのゾンビ IN C
4 Teferi's Puzzle Box テフェリーの細工箱 7E R
4 AEther Burst 霊気の噴出 OD C
4 Battle of Wits 機知の戦い OD R
3 Concentrate 集中 OD U
2 Confiscate 押収 7E U
4 Counterspell 対抗呪文 7E C
2 Evacuation 脱出 7E R
4 Exclude 除外 IN C
4 Fact or Fiction 嘘か真か IN U
4 Gainsay 反論 PL U
1 Hibernation 冬眠 7E U
4 Memory Lapse 記憶の欠落 7E C2
4 Opportunity 好機 7E U
4 Opt 選択 IN C
4 Peek のぞき見 OD C
4 Plagiarize 盗用 TO R
4 Repulse 排撃 IN C
3 Sleight of Hand 手練 7E C
4 Syncopate 中略 OD C
2 Diabolic Intent 悪魔の意図 PL R
3 Diabolic Tutor 魔性の教示者 OD U
4 Duress 強迫 7E C
4 Mind Burst 精神噴出 OD C
4 Tainted Pact 汚れた契約 OD R
4 Fire AP U
2 Obliterate 抹消 IN R
2 Lobotomy ロボトミー IN U
4 Recoil はね返り IN C
2 Terminate 終止 PL C
4 Undermine 蝕み IN R

所長: 太っ!!こんなの大会にもっていった日には、たとえアップキープに200枚なくても、もう、何ていうの、座っただけで勝ちじゃん?
主任: 小学生とかにジャッジ呼ばれたりしてな。でも一応ルールには反してないんで何も恥じることなくプレイして下さい。これでメタの頂点に立てること間違いなし。
所長: とまあ、今日はこの辺で。さようなら。



(収録が終わって)

Iくん: どうやら僕は今まで「テフェリーの細工箱」を過小評価していたみたいです。ちょー強いすね。いや、もう今日からすぐデッキに4枚投入します。
Mさん: 細工箱をデッキに投入するだけでドロー強化しまくり。さらに相手の手札をグシャグシャにすることでマインドアドバンテージまで取れるとは。これで明日から連戦連勝。
ひげ: 細工箱最強。五色単細工箱デック作るしか。