沖縄のメタゲーム(スタンダード総括)
文:主任@HAMA研

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なにやら久々ですね。
最近、大会のレポートとかしか書いてなかったんでこのコーナーの更新止まってるのに気が付いてませんでした。

そこで今回は特定のデッキタイプに絞らずに現在、県内でスタンダードの大会に出ると数多く見かけるであろうデッキタイプ全般をまとめて話を進めたいと思います。

現在有力なデッキタイプですがやはりサイカトグ、っていうかIN〜JU期のスタンダードはサイカトグに支配されたと言い切ってしまってかまわないでしょう。
もちろん、周囲の環境がサイカ嫌いに走って一時期スタンダードから干されてしまったこともありました。
その意味でいけば、一個前の環境のFiresほど世界を牛耳ったとはいえないでしょうが、どんなに逆風が吹いても時代にあった形に姿を変えて生き残ったこのデッキは「最強」と呼んで差し支えないでしょう。
実際問題として、今どこかの大会に出て《サイカトグ》を見かけない可能性などほぼ0に等しいと言い切れます。

そのサイカと並び立つデッキとしてはUGが文句ナシに上げられます。
トーメントの導入後から台頭し始めたこのデッキタイプは色の選択は同じでも積むシステムによって動きがまるで変わるのでメタるのが多少骨が折れる、多少のカウンターとマナの割りにサイズのデカイクリーチャーとでコントロールに対してもビートダウンに対してもそれなりに戦えるデッキとして認められ、ジャッジメントの導入で得た《物静かな思索》の壊れっぷりとで一気に環境勝ち組へと昇格、その後更なる色の追加や複数のシステムを同時にデッキに積み込むことでこれまた多彩なパターンのデッキが乱立し、かなりの勝率をおさめています。

逆に初期に有力なデッキタイプとされ、沈んでいったデッキタイプにはステロイド、黒コン、後はすべての白系のウィニーがあります。
ステロイドに関しては初期にはアンチサイカトグの最も簡単な回答として、環境最速のデッキとして注目されましたが、相性の悪いUGの台頭とともに数を減らし現在ではほとんど見かけなくなりました。
黒コンはスタンダードでは《たい肥》の前に膝を屈した形になりましたが、ほとんど《たい肥》を見かけることはなくなった現在でもそれほど勢力を伸ばしているとはいえません。
白系のウィニーは軽いマナ域に優秀なクリーチャーを数多く抱えていますが、どれほど優秀といっても緑に対して圧倒的にサイズで上回られ正面から粉砕される傾向の強い現在、勝ち組に入ることはそう多くありません。

そのほかにもSSSやトリコロール、など一線級とはいかなくても二線級の上でそれなりの勢力を誇っていたデッキも淘汰されてしまいました。
これらのデッキがいまいち流行らなくなった理由は非常に簡単で、諸悪の根源は《不可思議》のまことにもって不可思議な能力によってどんな巨大物体ですら空を飛ぶ昨今、少々トークンが量産できたりちょっと効率のいい飛行クリーチャー程度では有利に立てなくなったがゆえに多少苦境にたたされているのが不人気の原因でしょう。

ジャッジメントで沈んだデッキタイプがあれば、逆にジャッジメントで浮上したデッキタイプも有ります。
《生ける願い》や《狩猟場》、《ナントゥーコの僧院》といった新カードを軸に青白パーミッションに緑を散らしたUWGハンティンググラウンドは《狩猟場》と《神秘の蛇》のコンボでサイカの《激動》を完全に封じ、《神の怒り》とバウンスでクリーチャーコントロールに長けたデッキとして現環境のメタにかなり合致したデッキです。
使用するカードの色拘束がきついのでどこまで行っても事故が付いてまわりますが、それさえ乗り越えればかなりの戦闘力が保証されたデッキでしょう。

もう、この環境は11月まで大きな変化は訪れません。
カードはすべて出揃いました。
現状、大会に出て上位にくるデッキはサイカトグ、UG系、そしてハンティンググラウンドの三つであり、優勝するにはそれらに勝てればよいということです。
当然、この三つのデッキはお互いを潰す為にマイナーチェンジを繰り返すでしょう。
もちろん短期間でも流行り廃りがあり、「前回はこのデッキだったから今度は違うデッキで出てみよう」とかデッキの戦闘力とは関係ないところでそれぞれのデッキの数の増減はあるでしょうが。
しかし、それでもこの三つが軸になることだけは間違いないでしょう。

ということは、それ以外には勝てないけれどこの三つだけは逃がさないというデッキの生存可能な時期に入ったということです。
「ステロやバーンにはまるで勝てないが青には絶対負けない」
とか
「《たい肥》に当たらなきゃ天国」
といったデッキが幅をきかせる時期です。
「スタンダードはもうデッキが出揃ったから」
とダレやすい時期でもありますが、極端に歪んだ思想で設計されたデッキに日の目が当たる時期と考えれば、デッキビルダーを自負する方々にとってはある意味一番面白い時と考えられるかもしれません。

で、最後に上記三つの主要デッキの最近僕が見かける状況を簡単に。

サイカトグ
サンプルデッキ
サイカトグ:7月21日第7回A-ZERO COMPETITION 10位 ひげ
サイカトグタッチ赤:9月8日第8回A−ZERO COMPETITION 14位 山内 崇史
カウンターレスサイカ:9月8日第8回A−ZERO COMPETITION 7位 邪黒教団@らいらい
アイランドウォーカー杯 予選2日目 1位 喜屋武
最近では県内でも主流はタッチ赤になりつつあるように感じます。
カウンターだけに頼ってUGを捌くのはキツくなってきたということでしょうか?
さらにタッチ赤の中でも徐々に《狡猾な願い》を採用するタイプから《燃え立つ願い》を採用しているタイプに主流が移りつつあるように見えます。
実際問題として、インスタントでの対応の器用さよりもソーサリ―での一撃の方が相手が多少小細工を弄しても粉砕できるパワフルさが頼れるという一面はあるかと思います。
あと県内での流行、というよりは僕のごく身近なところで微妙に流行っているのがカウンターレスのサイカトグ。
CAN製作のこのデッキは実は現状のメタに適合しているデッキだと思うので是非是非どこか大きな大会で成功をおさめて大々的にクローズアップされないかなーと期待大です。
シークレットテクの《無謀なる突進》がキラリと光ます。

UG
サンプルデッキ
UGタッチ赤:アイランドウォーカー杯 予選1日目 5位 親富祖 昇吾
UGスレッショルド:9月8日第8回A−ZERO COMPETITION 6位 ジャップ
UGW:アイランドウォーカー杯 予選1日目 3位 内田 俊郎
最近ではこのデッキも同キャラに有利にたつため、最終的な決定力の欠如を補う為にタッチで赤を投入したデッキが増加しつつあります。
実際、多少色事故の可能性が上がるとはいえステロイドの強さを取り込んだこのタイプのクワイエットロアーやマッドネスはキッチリ回ればステロに匹敵するスピードで相手のライフを削りきることが可能でなおかつ汎用性が高いです。
しかし汎用性の高さは安定性と器用さにかけることに直結します。
サイカの《激動》用に《藪跳ねアヌーリッド》を追加したUGWのビートダウンも多少数を増やしていますが、クリーチャー除去に欠く、必要なマナの要求量がデカイなど純粋なUG相手に初速で出遅れる点で多少敬遠されているようです。

ハンティンググラウンド
サンプルデッキ
9月8日第8回A−ZERO COMPETITION 10位 Shin Irei
はっきりいってあまり流行ってません。
間違い無く強いのですが、プレイングに慣れと腕を要求し、制作費もかなり高めのこのデッキを使いこなすプレイヤーはあまりいないようです。
とはいえチーム全体のカード資産をかき集めれば一機ぐらいは建造可能なハズなので大会に出れば一つぐらいは紛れ込んでいると考えていいでしょう。
色拘束がキツイデッキなので序盤で一気に削りきることが重要です。
しかし、《狩猟場》が回りだすまで放っておくとあらゆるデッキで対処が困難になってしまうのでそう易々と勝たせてはもらえないでしょう。

と上記をふまえた上でオリジナルのデッキを構築できればそれは即勝利に直結するのが現在の状況です。
経験や情報不足に悩む方でも、簡単にメタの流れを読みきれるこの時期はオリジナルのテクを炸裂させ、強いデッキでブイブイいわせてる上級者の首を取るチャンスにあふれるチャンス時です。

ではでは、皆様が次の環境激変期までよきマジックライフを送られんことを願って。