沖縄のメタゲーム〜ミラディンブロック構築編 文:主任@HAMA研 |
そろそろブロック構築の時期が到来しつつある昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか? 県内でもブロック構築のイベントがいくつか予定されてますが、なによりHAMA研主催の「HAMASAI 2」がブロック構築。 我々として一人でも多くの参加者を募るために、ブロック構築熱をいやがおうにも高めたいところ。 そこでデッキを作る上での資料になればと県内の過去の大会の結果の洗い直しに加えて海の向こうでの大会結果を合わせてデッキをいくつか集めてみました。 |
まずは県内の過去の結果を見つつ話を進めていこうと思います。 フィフスドーンの入る前の大会ですが、デッキの傾向とか探る上では役に立つでしょうし。 結果が残っているのはA-ZERO COMPETITION17thとA-ZERO COMPETITION18thの2回。 どちらも一番人気は赤系コントロールデッキ。 この辺はプロツアー神戸で黒田正城氏が赤コンを使用して優勝したことの影響が大きかったかと思われます(黒田氏が使用していたタイプは実はバーンデッキだったりしますが)。 赤コン A-ZERO18th 優勝現在もこの形は有効なようで、各地のトーナメントで成果をあげているようです。 フィフスドーンからはドロー操作つき軽量火力《マグマの噴流/Magma Jet》、小型ながら赤マナの限りパワーの上げられる《焼炉の仔/Furnace Whelp》などが採用されているようです。 大量の火力と《弧炎撒き/Arc-Slogger》で場を制圧という基本プランには変わりないようですが、より巨大なフィニッシャーとして《メガエイトグ/Megatog》と採用したデッキも出てきています。 サンプル基本ラインは一緒ですが、緑を足して使用できるカードの幅を広げたデッキもあります。 これはPT神戸の際、石田格氏が考案したデッキが元になっていると思われます。 A-ZERO17th 2位ここからさらに派生で土地破壊で同キャラや12POSTの動きを止めようというデッキも。 A-ZERO18th 2位サイドボードには《火炎崩れ/Flamebreak》を積んでいるものを多く見ます。 赤単では除去しにくい《トロールの苦行者/Troll Ascetic》などへの対策になりますし。 あとカナダ選手権の結果を見ると、以前ならメインに入っていた《減衰のマトリックス/Damping Matrix》がサイドに落ちているデッキが増えているようです。 ミラディンブロックがもたらした最速のデッキの一つ「親和」。 プレミアイベントでは参加者の4割が選択するという「親和祭り」も珍しくなかったようですが、各種メタデッキの前に沈んでいった事実を目撃したあとにブロック構築のイベントが行われた県内ではしょっぱなから不人気。 出場数が少ない上に、大方の予想通り負けた1回目を見たあとは選択する人もいなくなってしまったようです。 決して弱いデッキではない(むしろ強いよね)のですが、敵が多そうだから乗らないということでしょうか。 親和 A-ZERO17th 8位ブロック構築でも《頭蓋骨絞め/Skullclamp》が禁止されたため、もう以前の形で組むことが不可能になってしまった親和。 とはいえ《頭蓋囲い/Cranial Plating》という新たな装備品を得て、新しい形を模索中。 海の向こうでは未だにかなりの数の親和が出場して勝ち星を稼いでいるようです。 サンプル色々な大会結果を見ると、数が多い上に構成が千差万別。 でもその中での傾向として飛行クリーチャーの増加があります。 《頭蓋囲い/Cranial Plating》でパワーの上がったクリーチャーを確実に通そうと思えば当然そうなるでしょうが、アーティファクト破壊の横行する世の中で生存性の高さを求めて《厳粛な空護り/Somber Hoverguard》が採用されるケースが多いようです。 メインに入ってる場合、同じくらい重いクリーチャーの《マイアの処罰者/Myr Enforcer》と入れ替わってるケースが多いっぽいですが、どちらも採用してたりするデッキもあるので一概には言えず。 もちろん、《マイアの処罰者/Myr Enforcer》を4搭載した以前と変わりないタイプのデッキも多いです。 サイドは《無効/Annul》の投入が増えているよう。 《機械の行進/March of the Machines》を張ってくるデッキへの対応策にもなりますし。 逆に《起源室/Genesis Chamber》の採用は減ってきている模様。 《頭蓋骨絞め/Skullclamp》がなくなった影響の一つでしょうか。 ドロー能力の低下は《夜の囁き/Night's Whisper》や《血清の幻視/Serum Visions》で埋めているのデッキもありますが、漢らしく「俺は引いた手札で勝負するぜ」というパターンもあるようでこの辺も千差万別です。 歯と爪 以前は県内で極端に人気があるタイプというわけでもなかった「歯と爪」ですが、Grand Prix Zurichで優勝したこともありひょっとしたら急上昇するのか? A-ZERO18th 6位非常に重い《歯と爪/Tooth and Nail》を撃つためにはマナ加速が必須。 スタンダードならウルザ3地形を揃えるという手もありますが、ブロック構築ではそんなもの使えないので《雲上の座/Cloudpost》を揃えるのが基本。 さっさと揃えるために《森の占術/Sylvan Scrying》と《刈り取りと種まき/Reap and Sow》で土地検索。 回ればマナは出るはずなので《歯と爪/Tooth and Nail》以外にも《精神隷属器/Mindslaver》や《忘却石/Oblivion Stone》といった重いカードがテンコ盛り。 フィフスドーンから《永遠の証人/Eternal Witness》を得たことで土地検索カードや《歯と爪/Tooth and Nail》が再利用できるようになり、ついでにもう一枚のインスタントアーティファクト除去《テル=ジラードの正義/Tel-Jilad Justice》も参入してさらにアーティファクト除去がやりやすくなったのが追い風。 ついでに《白の夜明けの運び手/Bringer of the White Dawn》で《精神隷属器/Mindslaver》を使いまわす新たな勝ちパターンや、《メフィドロスの吸血鬼/Mephidross Vampire》と《トリスケリオン/Triskelion》を並べることで相手だけクリーチャーが壊滅するというリセット手段も手に入れました。 Grand Prix Zurich 優勝 Manuel Bucher問題は《卑下/Condescend》など使えるカウンターの出現でブロック構築環境に「青」が出てきていることでしょうか。 いくらマナブーストが得意とはいえ土地検索をカウンターされるとそもそも《雲上の座/Cloudpost》が並ばないので動きにくそうですしマナが並んでみても《歯と爪/Tooth and Nail》の重さは半端ないのでいい感じでカウンターが突き刺さりそうです。 前回のA-ZEROでは土地破壊の前に撃沈してたりもするように《雲上の座/Cloudpost》を壊されると弱かったりもしますし。 回れば無敵、回らないとタダの重いカードの束になるというトコを見ると多少博打性の高いデッキかも知れません。 緑単色ビートダウン 実は根強いファンがいる気配漂うこのデッキ。 アーティファクトを壊すといえば緑か赤。 赤単と双璧をなす茶除去の総本山こと緑が送り出したのが緑単色ビートダウン。 赤のように除去力が高いわけではないので(火力がないですから)、コントロールではなく足止めしてさっさと殴り勝つという構成になっているようです(コントロールに寄せると《歯と爪/Tooth and Nail》になるんでしょうか)。 A-ZERO17th 3位基本的にアーティファクト不使用。 これで相手の茶除去を手札で腐らせてジャンジャン殴っていこうということなんですが、緑の軽量クリーチャーにそれほど大きい生物がいるわけでもないので、素直に重いところまでマナ域を広げています。 大型新人《永遠の証人/Eternal Witness》の参加で茶除去を使いまわしたりできるし、《テル=ジラードの正義/Tel-Jilad Justice》も入ったのでホントに茶色いデッキには強くなったんじゃないでしょうか。 あと《創造の標/Beacon of Creation》でトークンが量産できるようになったので《残響する勇気/Echoing Courage》で一気に大ダメージというシナジーを盛り込んだタイプも出てきているようです。 サンプル《ファングレンの初仔/Fangren Firstborn》や《絡み森の脈動/Pulse of the Tangle》なども入ってもっとクリーチャーの多いタイプもあります。 殴る以外の勝ち筋がないのでデッキの半分弱がクリーチャー。 アーティファクトに依存するデッキには本当に強いんですが、それ以外のデッキに相手には自分の茶除去が腐るので今ひとつ。 あとは自分のデッキよりも大きいクリーチャーを出された途端に攻撃が通せなくなったり、飛行クリーチャーに対して防御戦ががら空きだったり(よって《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》は必須かと)。 斜めから攻められると成す術もなくハメられてたり、殺されたりすることもあるようなので基本的にスピード命。 環境にあるリセットの大半が重いので、その前にバンバン展開できるかどうかが命題になるんですが、《火炎崩れ/Flamebreak》だけは軽い上にほとんどの戦力が昇天してしまうので要注意。 《絡み森の脈動/Pulse of the Tangle》と《創造の標/Beacon of Creation》を併用するタイプだと《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》でもあらかた吹き飛んでしまうのでこれまた要注意。 さっさと撲殺することを心がけて。 青緑 グランプリチューリヒで出てきた新しいタイプのデッキ「青緑」。 基本的に《水晶の破片/Crystal Shard》で187クリーチャーを使いまわして悪事を働こうというデッキ。 スタンダード版に直して使ってる人もいたりします。 目新しいデッキなのもあって結構注目されてたりするので使用者もそれなりの数になるかも知れませんね。 Grand Prix Zurich 準優勝 Matteo Cirigliano親和に鬼回りされなければ《水晶の破片/Crystal Shard》+《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》でハメることも不可能ではなさそうです。 長丁場になったら《永遠の証人/Eternal Witness》を再利用してどんどん儲かろうってことですが、対抗色だけあって色マナが多少不安定。 さらに重いカードも多いので順当に土地が伸びていってくれないと厳しいことになりそうです。 基本的なクリーチャーは緑単でも使用しているクリーチャー群。 それだけに飛行クリーチャーに手が出にくいという弱点も引き継いでいるワケでして、茶除去で打ち落とせない《厳粛な空護り/Somber Hoverguard》を放置しておくと《トリスケリオン/Triskelion》が間に合わずに撲殺されることも多々。 《水晶の破片/Crystal Shard》が環境に溢れる茶除去のいいマトになる点も気になるところ。 いくら《永遠の証人/Eternal Witness》で拾えるとはいえかなりのマナを消費するので。 そこで《残響する真実/Echoing Truth》に差し替えているデッキや併用するデッキも出てきています。 サイドボードにも《空護りの観察者/Hoverguard Observer》を投入して飛行生物対策としているものもあるようです。 同キャラや赤への耐性を考えるなら《トロールの苦行者/Troll Ascetic》をメインに上げる選択もありですね。 白緑 世間的に少しもメジャーではないんですが、県内では勝っちゃってるんで無視できない存在。 不燃物のカタマリで赤相手に押していこうという感じですね。 A-ZERO17th 優勝対象にならないので厄介な《トロールの苦行者/Troll Ascetic》と寝込みを襲わない限りさわれもしない《清純な天使/Pristine Angel》の2本立てで赤い皆さんのご機嫌を伺う気満々ですね。 一応このデッキも《永遠の証人/Eternal Witness》や《テル=ジラードの正義/Tel-Jilad Justice》が投入可能ですが、元々ダブルシンボルを出すのが微妙に厳しいデッキなので《永遠の証人/Eternal Witness》が素直に採用できるかどうか。 あとはこのデッキもカウンターされない前提でできているので環境に青が登場しつつある現在ではツラそうです。 ただ《清純な天使/Pristine Angel》の能力が単体で強いのは間違いないので、そこだけもらって全然違うデッキにしたのがこれ。 A-ZERO18th 3位インスタント火力で《清純な天使/Pristine Angel》をアンタップしちゃおうということですね。 このデッキも《拘引/Arrest》が使われてますがこれは《弧炎撒き/Arc-Slogger》を逮捕しようということでしょう。 っていうかそれ以外のデッキには3マナは重すぎて間に合わなそうですし。 海の向こうで似たようなデッキがないかなあと探してたらこんなの見つけました。 Grand Prix New Jersey Trial Quarterfinalist Kyle Smithいきなりパーミッション風味のデッキに飛んじゃいましたが…。 こういうのもあるということで。 ファイヤーワークス 基本的に茶除去が全部刺さるという点において親和と似たり寄ったりなんですが、2マナのマナソースが大量に含まれる分、多少《機械の行進/March of the Machines》が効きにくかったり(効くんですけどね)。 もともと同じブロックにコンボ成立を阻害するカードが少なかったりするにも関わらず、コンボパーツは全てブロック内でまかなえるのでそこだけ見ればスタンダードよりも決めやすそう(バンバン割られるってのは勘定に入れないでの話ですが)。 サンプル親和メタの巻き添えを食らって死にそうな気もしますが、デッキとしては組めないことはないので。 最近、県内では素直な親和よりも人気があることを考えると考慮に入れておいたほうがよいかもしれません。 適当にいそうなデッキや新しいデッキを探してきて陳列してみましたが、県内でブロック構築に手を出そうか悩んでいるプレイヤーの皆さんのお役に少しでもたってみたりするでしょうか?(するといいなあ) もちろんこの他にもデッキのアイディアはあってもまだ形になっていないデッキがいくつもあるはずですが。 各地の流れに県内の趣味傾向をあわせて考えると一番人気はやはり赤コンになりそうな感じがします。 親和の強さは誰もが認めるものの、八方敵だらけなのを見越して自分も親和をメタる側に回るんじゃないでしょうか。 そうなると、親和系デッキの出場数自体が減るのでコントロールデッキ同士の潰しあいということになりそうです。 赤系のデッキをメタったコントロールは結構な数になるんじゃないでしょうか。 そこに12POSTや青緑が絡んでくる形になるというのが僕の予想です。 実際のところどうなるのか。 結果はいずれまた。 |