沖縄のメタゲーム〜フィフスドーンから1ヶ月編 文:主任@HAMA研 |
前回からかなり間が空いてしまいましたが、別にサボってたわけではなく。 禁止カードが出るまでは「《頭蓋骨絞め/Skullclamp》をメタッとけ」の一言で話が終わってたりしてあまり書くこともなく。 実に様々なデッキにとって超巨大な「目の上のたんこぶ」だった1枚が環境から消え、姿を消してたデッキタイプも息を吹き返してきた昨今、県内で動いてるデッキをまとめてみました。(スタンダードですよ) |
さてさて、前環境では何はトモアレ「親和」に勝てなくては話にならないとまで言わしめた各種親和系デッキ。 《頭蓋骨絞め/Skullclamp》の禁止で確実にドロー能力が落ちた分、《頭蓋囲い/Cranial Plating》というワケのわからないダメージを追加してくれる装備品を手に入れました。 …が、県内ではかなり不人気のようです。 《頭蓋骨絞め/Skullclamp》がある頃からして何故かあんまり人気のなかった親和ですが、ドロー能力の低下に伴う不安定性の増大は不人気に拍車をかけているようです。 記録の残ってる大会結果をあさってもほとんど参加してません。 一番新しいリストが下のデッキです。 A-ZERO22th 7位
足りなくなったドロー手段は《夜の囁き/Night's Whisper》で補強。 さらに色事故を嫌ってか、赤が抜けて青黒の2色にまとめられています。 《頭蓋囲い/Cranial Plating》でスピードは上がってますが、相手のパーマネントにまったく手が出ない構成になってるので妙な物件で攻め手を封じられると何もできなくなるため《残響する真実/Echoing Truth》や《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》などのバウンスは入れたほうがいいかもしれません。 あと、以前よりも若干親和を稼ぐのが大変になっているので飛行クリーチャーを補充する意味もこめて《マイアの処罰者/Myr Enforcer》を《厳粛な空護り/Somber Hoverguard》に変えているデッキもあるようです。 親和とは多少違いますが、《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》を軸にしたアーティファクトのカタマリのようなデッキが「ベビーシッター」や「ファイアーワークス」。 コチラも使用者が多いわけではないですが、それなりに勝ってたりするので頭のスミに置いておいて損はないかも。 FBトーナメント 1位
《マイアの保育器/Myr Incubator》で大量のマイアトークンを出して《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》でマナに変換。 巨大なマナでいろいろ悪さをするデッキ。 一発コンボなので、その一発をかわしきれればどうにかなりますがスピードが結構なモノなんでナカナカに大変です。 相手にする際には親和共々アーティファクト対策をしっかりと。 親和が勢力を縮小しているのと反比例して数を増やしているのが白系のコントロール。 白単コントロールはほぼいませんが、白青は確実に戻ってきているようです。 使用者数、使用回数どちらも他のデッキタイプよりも格段に多いですね。 A-ZERO21th 優勝
6/25FNM 4位
A-ZERO22th 2位
簡単にカードを引かれてしまう状況がなくなったため、《神の怒り/Wrath of God》が再びアドヴァンテージを稼げるカードに返り咲いたことが元々コントロール好きの多い県内でウケている理由でしょうか。 さらに序盤から中盤まで使える安定したカウンター《卑下/Condescend》が入ったのも追い風。 これにより、前環境の白青コントロールよりもカウンターが増えて大昔のパーミッションに近づいたものも出てきてるようです。 でも県内ではプロテクションクリーチャー+《崇拝/Worship》で押し切るタイプや、他の色を加えてアヤシイ仕掛けを盛り込んだものの方が、旧来の白青よりもウケがいいようです。 《卑下/Condescend》が入ることにより、序盤のカウンターの厚みは増しているため出足のスキは減りました。 そのかわり、ウルザトロンのように巨大マナエンジンを積んだデッキに対しての相性の悪さはちょっと大きくなったかも。 白青が「戻ってきた」のに対して、新しく「出てきた」白系コントロールデッキが白緑サイクリング。 外国ではエターナルスライドの名前で定着しているようです。 FBトーナメント1位
A-ZERO22th 4位
基本は《永遠の証人/Eternal Witness》と《霊体の地滑り/Astral Slide》の2枚を並べてサイクリングカードをひたすら使いまわして儲かろうというもの。 複数並べば並ぶほどアクセスできるカードが増えるので、土地が並んだ後の制圧力はかなりのものです。 あとは場に出たときお得なクリーチャーを《霊体の地滑り/Astral Slide》で使いまわせば物量差で勝てるでしょう。 サイクリングデッキが出始めの頃に搭載されていた《地図作り/Cartographer》にちょっとだけ動きが似ています。 しかし、あの頃と違って色マナを複数使うカードが多いので赤を散らすのはちょっと苦しいみたいです。 弱点は序盤の立ち上がりの遅さと除去が全部大雑把な点、あとは墓地を消されるとあまり儲からなくなるところ。 白系コントロールはこの3つがほとんどで、白単コントロールや白赤サイクリングはほとんどいないようです。 白以外のコントロールでは《死の雲/Death Cloud》が若干多め。 コチラの主流は緑黒のようです。 6/25FNM 2位 このデッキも《頭蓋骨絞め/Skullclamp》禁止の余波を食ってるデッキですが、親和と違って「どうにか使ってやろう」という固定ファンがついてるようでして。 あと気になるのが黒単《死の雲/Death Cloud》の存在。 6/25FNM 6位 まだデッキがこなれてきてない感じもしますが、今後どうにかなるんじゃないか気になるところです。 コントロールが今後も増え続けるようならアンチコントロールデッキとして勢力を伸ばすかも。 遅いデッキばかり見てきたところで、速いデッキに目を戻してみると親和と《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》以外では赤が一大勢力。 ゴブリンとスライと両方いますが、数が多いのはゴブリンの方。 6/25FNM 1位
A-ZERO21th 5位
日本選手権の影響で一時緑をタッチしたゴブリンも数が増えてましたが、すぐにゴブリン召集の方が主流に戻ったようです。 使用者、使用回数共にゴブリン召集が上。 全体に戦績が上なのもゴブリン召集です。 ゴブリンよりは使用者が少ないもの、ワリと根強い人気があるらしい赤スライ。 A-ZERO22th 優勝
A-ZERO21th 4位
勝つときは大勝ちしてるんですが、負けるときは派手に負けてます。 デッキの当たり運で戦績がかなり変動するようで、安定性はいまいちのようです。 新環境に変わってから、県内で動いてるデッキは大体こんなところのよう。 以前は赤緑も使用者が結構いたものですが、最近ではめっきり数を減らしているようです。 タイプも土地破壊風味のデッキの方が戦績が安定して上の方にいたものですが、ここのところ勝ちきれてません。 A-ZERO22th 14位 コントロールが増えているのは追い風かとも思われたんですが、サイクリングはもともと土地が多めなので全部は壊しきれない、白青は軽量カウンターが増えたせいで土地破壊が通らない。 親和等のアーティファクトを多用するデッキには相変わらず相手がよいものの、県内で数が増えてないので勝ち切れてないようで。 殴る方はそれなりに勝ち星を稼いでます。 7/9FNM 2位
メタるべき相手はだいたいこんなところのようです。 他にも興味深いデッキはいくつもあるんですが、絶対数が少ないのでメタっても個人メタにしかならないと思いますし。 新しいデッキはともかく、ウルザトロンなどはもうちょっと数がいてもいい気がするんですが極めて不人気でほぼ使用者がいません。 県内に限ってはメタから外しても問題なさそうです。 デッキの数を調べるついでに各対戦の結果も全部掘り返してみたんですが、コントロール対ビートダウン(コンボ含む)のマッチアップの通算戦績ではコントロールの方が圧倒的に上でした。 《頭蓋骨絞め/Skullclamp》のあった頃とはだいぶ話が変わってきたようですね。 勝ち数だけでいくならゴブリンと白青コントロールが頭一つ抜けてる感じ。 この二つを追っかける形で白緑とスライがあります。 ただ、白緑は登場が後なので回数が少ないぶんも考慮に入れれば人気、勝ち数ともに結構なモノ。 以前の環境との大きな違いは「リソースとしての墓地」に再び注目が集まっている点でしょうか。 親和の天下の間は墓地を活用している時間がなかったというのもあるでしょうが、《永遠の証人/Eternal Witness》の登場も大きな要因でしょう。 白緑サイクリング、ゴブリン召集はそもそも墓地の活用が大きなテーマだったりしますし、緑黒デスクラウドも《定員過剰の墓地/Oversold Cemetery》でクリーチャーの再利用することでアドバンテージを取る方向にシフトしているようです。 白青コントロールもフィニッシャーが《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》のみのタイプもありますし、《永遠の証人/Eternal Witness》を使うために緑を足したデッキも出てきているようです。 再び《ひっかき爪/Scrabbling Claws》や《萎縮した卑劣漢/Withered Wretch》のお世話になるかも。 小さい変化はアーティファクトへのメインでの警戒度が下がったせいか、《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》や《酸化/Oxidize》が数を減らしていることでしょうか。 入ってない、あるいはサイドには入ってることが多いようです。 メインはサイクリングへの警戒からか《帰化/Naturalize》の採用が増えているようです。 となると親和を使う側からすれば《溶接の壺/Welding Jar》をデッキに入れといて得する状況が多くなってるようですね。 ついでにメインの《減衰のマトリックス/Damping Matrix》も減ってるので《ゴブリンの修繕屋スロバッド/Slobad, Goblin Tinkerer》も働く場所が確保できるかも知れないですね。 まだ、環境が変わってから一ヶ月。 再び登場のデッキも、新しいデッキもこれから練っていく途上にあるかと思われます。 それにプラスで海の向こうでは出てきていても、まだ県内に入ってきてないデッキタイプもいくつかあるのでそれらも含めて今後もしばらくメタは動きつづけることになるかと思われますが、今のところ一番警戒すべきは白青コントロールとゴブリンの2つのようです。 ではではまた次回。 |