沖縄のメタゲーム〜新環境を見てみよう編
文:主任@HAMA研

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ついにミラディンが正式に環境に参入しました。
マジックのいろんなルールを無視しまくっていたオデッセイブロックの退場もあって環境は大きく様変わりしつつあるようです。
恒例の「お試しトーナメント」も結果が出たのでその辺も踏まえてちょっとした考察を。

まずはお試しトーナメントのデッキ分布から。

1・黒単4人(コントロール2人、ゾンビ2人)
2・赤単4人(土地破壊、ドラゴンシュート、《クラークの親指/Krark's Thumb》バーン、ゴブリン)
3・白ウィニー2人
4・エルフ単
5・青黒《等時の王笏/Isochron Scepter》サイクリングリアニメート黒緑セメタリー赤緑《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》青白パーミッション各1名

以上のような感じ。

色の分布

の2色の人気が非常に高いようです。
どちらも単色が4人、赤か黒を加えたデッキまで見れば半数以上。
逆に嫌われたのが
カウンターの弱体化にドロー強化がごっそり落ちたのが不人気の理由でしょう。
《知識の渇望/Thirst for Knowledge》というカードを得てパーミッションというよりはコントロールという形を取ったデッキが各地で成果を挙げていますが、この時点ではそこまでデッキを持っていけてなかったようです。
1人だけ青白のコントロールが出場していますが、いまいち勝ちきれていません。
デッキの構成はカウンターが薄めパーマネントコントロールが厚めと、今風の構成になっていますがサイクリングが予想以上に少なく、黒が予想以上に多かったのは厳しかったということでしょうか?

件の黒はクリーチャーベースのものもコントロールよりのものもどちらも1個ずつ上位にくいこんでいます。
構築上の共通点として単色の割に《沼/Swamp》以外の土地が大量に使用されてるというのがあります。
《魂の消耗/Consume Spirit》を使うために黒マナは大量に欲しいものの《因果応報/Karma》は避けたいということでしょう。
沼を並べないというプラン上《超次元レンズ/Extraplanar Lens》の採用も無理。
結果、《忘却石/Oblivion Stone》でリセットするタイプとゾンビを展開してハンデスでつなぐタイプに分かれたようです。
後者は赤単へも《因果応報/Karma》への耐性もそう高いわけではないと思われますが、オデッセイブロックの退場で一時的に墓地への警戒度が下がったのが有利に働いたようです。

赤単は各種タイプが散らばった形となりました。
その中で一番上に行ったのは異彩を放つドラゴンシュート
今、あらためてデッキリストを見ると親和ウィニーに近いマナ基盤になってるのが面白いですね。
マナをモリモリとブーストしてストーム数を稼ぎ《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》
動きも《精神の願望/Mind's Desire》を加えた親和ウィニーに似たノリがあるようです。
飛び出してくるのは別次元の巨大生物ですが。
あとはもう一つの赤の目玉アーティファクト?の《クラークの親指/Krark's Thumb》バーンがアツイ。
ドラゴンの影になってしまって今ひとつ目立ちませんがコレも非常に面白い動きをします。
土地破壊が3位につけてるのは納得の結果。
コントロールからすれば土地破壊ほど鬱陶しいデッキも少ないですし、コントロールは多かったのですから。


デッキタイプから見ると…
デッキタイプから順位を見ると上位にはコントロールデッキが多め。
それに続く形でクリーチャーデッキ。
そして「これぞミラディン」というデッキタイプはまだそれほど多くないようです。
旧環境で存在していたデッキの穴をミラディンからのカードで埋めたデッキや、オンスロートブロックのデッキをミラディンと8版で補強したデッキが主となっています。

参加数自体、クリーチャーデッキをメタったコントロールデッキが多かったので一概には言えませんが今回のところ勝ち組はコントロールのようです。
黒コン、サイクリング、青白と各種コントロールが顔を出しています。
青黒《等時の王笏/Isochron Scepter》もこの部類に入れてよいかと思います。
どのデッキも共通して言えることは盤面のコントロールを主眼に据えていること。
黒単でも手札破壊は薄めで《忘却石/Oblivion Stone》に加えて《蔓延/Infest》《苦痛の命令/Decree of Pain》といった各種除去、青白もデフォの《神の怒り/Wrath of God》に加えて3枚の《アクローマの復讐/Akroma's Vengeance》《翼の破片/Wing Shards》まで。
そして土地破壊には《紅蓮地獄/Pyroclasm》《めった切り/Slice and Dice》
徹底したウィニー対策が見て取れます。

この大量除去のなか、エルフは真っ先に壊滅。
《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》が消えた関係上、序盤のマナが厳しく《鉤爪の統率者/Caller of the Claw》という返し技を持っていながらも使い切れないようです。

ゴブリンは「メタられている」ということか、選択した人自体1人だけとかなり少なめ。
その1人も除去の荒海の中に沈んでしまってます。

比較的健闘したのは白ウィニー。
とはいえコントロールデッキがパーマネント除去を厚めにシフトしている中、どこまで単色でやれるかどうかが微妙。
白に限らずゴブリンだってツライんですが、赤は火力を厚くするなり速攻クリーチャーで固めるなり、まだ打つ手があります。
しかし白の色の性格上、全て盤面で勝負するのでひたすら除去に徹されると少々ツライものがあります。
《第二の日の出/Second Sunrise》という返し技もあるんですが、メタがもっと割れないことにはメインに積むのが憚られるのと《忘却石/Oblivion Stone》にはあまり解決にならないのがマイナス要素。

煮詰まった時には多色化にに生き残りの道を探すことになるかも知れません。

その点、5位に残ったゾンビは序盤の展開速度はそれほどではないものの《腐れ肺の再生術師/Rotlung Reanimator》で大量除去にある程度耐性があるのと、現状出てきているコントロールデッキでは破壊しにくい《邪悪な岩屋/Unholy Grotto》でのゾンビの再利用という技で各種コントロールを苦しめています。
この先《因果応報/Karma》がどれだけ増えるのかにもよりますが、案外活躍できるのかも。

今後の展開

各地での大会結果の影響を受けて《親和》を活用する各種デッキ、そして黒以外のコントロールデッキも増えてくるかと思われます。
しばらくはコントロールデッキ対クリーチャーデッキで話が進みそうですね。

コントロールはパーマネント除去をより厚く、クリーチャーデッキはよりスピードを追及する形で推移するかと。
隙間を付いてコンボデッキが顔を出すのはどの時期になるのでしょうか。