BIG SHOT:10版前〜10版後の賞金首

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今年も始まった夏のHAMASAI。
とりあえずは権利を獲得したデッキのご案内。
決勝まではこまめに更新していく形になると思います。
2007年6月22日フライデーナイトマジック 1位 菊四@Anonymity
プロジェクトX
最初に予選を抜けたのはプロジェクトX。
《サッフィー・エリクスドッター/Saffi Eriksdotter》+《墓所の勇者/Crypt Champion》の循環コンボから無限ライフ獲得、無限トークン生産と不審な動きを見せつつ殴れもする懐の深いデッキ。
しかし昨今ではナルコブリッジのせいで墓地対策が激しく以前に比べるとコンボが決まりにくくなったようですが、このデッキは《番狼/Watchwolf》と《ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer》で打撃力を上げ、コンボによる勝利を2次的な要素にすることで安定させる方向でチューンされているみたい。
その分、手札破壊とかの対コントロールパーツがサイドに落ちてますが《きらめく願い/Glittering Wish》があるので一応アクセス可能。
2007年6月29日フライデーナイトマジック 1位 国吉
精体バーン
なんだかモノすごい久しぶりに見た気がする「漢の赤単」。
次元の混乱の登場からこっそり増えてきた赤単も未来予知で《ギャサンの略奪者/Gathan Raiders》と《エンバーワイルドの占い師/Emberwilde Augur》、《ケルドの巨石/Keldon Megaliths》を得てちゃっかり確立されたようです。
しかしその中でもこの形は非常に男らしい《嵐の精体/Storm Entity》型。
特にドローソースがあるわけでもないのでストームが稼げるかどうかは初手次第の引き次第。
安定性には欠けますが、1ターンめ《炎の儀式/Rite of Flame》×2からの《嵐の精体》で7点クロックを展開なんていう夢のロケットスタートも切れる構成。
一発に賭けたいけれどコンボは性に合わないって方にオススメ。
2007年7月1日HAMASAI 9th 予選@ 優勝 壱@HAMA研
タルモステロ
こちらは各地で旬真っ盛りの《タルモゴイフ/Tarmogoyf》入りのステロ。
とはいえ通常のステロとはちょっと構成が違って《ケルドの後継者、ラーダ/Radha, Heir to Keld》からの《嵐の束縛/Stormbind》をドライブするシステムが入って、《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》とか一般的なクリーチャーが外されてます。
その分、打撃力は通常型より墓地が肥えやすく手札が減りやすくなっているので《タルモゴイフ》や《ギャサンの略奪者》はスクスク成長すること請け合い。
反面、他のクリーチャーの線が細くなっているので上記の看板生物2種を丁寧に潰せるデッキ相手だとちょっと苦しい。そこは《嵐の束縛》でカバーできるかどうかが勝敗の分かれ道っぽいですね。
2007年7月1日HAMASAI 9th 予選@ 3位 秋水@HAMA研
トリコロール
いわゆるエンジェルフレアに《硫黄の精霊/Sulfur Elemental》等をメインから搭載して速いターンから仕掛けられるようになっているデッキ。
このデッキにおいては《硫黄の精霊》はボロスをめっきり見なくなった昨今はカウンターされないクロック兼、《稲妻の天使/Lightning Angel》をクロックアップ兼、プロジェクトXのコンボ妨害手段としての役目(1体目で無限トークンは潰せるし2体目が出ればコンボそのものが止まる)が大きいですね。
その辺でパーマネントのダメージ源が増えている分、ちょっとでも押している場になったらさっさと《爆裂+破綻/Boom+Bust》で○○ゲドン戦略を取れるのがいい点なんですが火力が薄くなった分、妙な角度からクリーチャーを展開されて除去できずに困ることも。
2007年7月6日フライデーナイトマジック 1位 SHO
トリコロール
再びのトリコ。
こちらは《セラの報復者/Serra Avenger》に《特務魔道士ヤヤ・バラード/Jaya Ballard, Task Mage》まで入ってさらに低マナ域にシフトしています。
もともとこのデッキはメインのスロットにある程度の幅があるので、個人でいろいろ細かいチューンがされてることが多いのが面白いですね。
2007年7月8日HAMASAI 9th 予選A 優勝 らいらい卿
精体バーン
再び登場の漢の赤単。
そしてまたもや《嵐の精体》搭載型なのがまたなんというか・・・安定性よりもハマった時の威力のデカさを優先するプレイヤーが多いのは地域柄なのか?
上のデッキとほぼ同様の構成。
ロケットスタートの代償として、このタイプだとメインから積まれていることの多い《灰の殉教者/Martyr of Ashes》がサイドに落とされているため、各種ウィニー系やナルコブリッジに耐性が落ちてます。
2007年7月8日HAMASAI 9th 予選A 2位 Ito@Anonymity
トリコロール
三度登場のトリコロール。
こちらは《永劫の年代史家/Aeon Chronicler》を増量して他のコントロールとのアドヴァンテージ合戦を睨みつつ、デカブツを用意。
そしていくらデカくとも飛んでもいなければシャドーも持たない《永劫の年代史家》をサポートする《ロクソドンの戦槌》。
これでビートダウン相手にもさらに耐性をつけることが可能に。
その分、クリーチャー以外のパーマネントには全く手が出ないメイン構成なのでエンチャントやアーティファクトで搦め手から攻められると意外に脆い側面も。
しかし、こうして並べてみるとバーンとトリコのオンパレード。
出場しているデッキの種類はドラゴンストーム、ナルコブリッジと言ったコンボ系からソーラーフレアのようなコントロールまで幅広いんですが・・・結果からいくと、ライフゲインするか火力満載かどちらかのデッキだけが残ってます。
その辺をどう攻略するのかが次回以降のポイントになってくるんじゃないでしょうか?
今回は予選中に基本セットの入れ替わりが入って環境が激変しますが、バーンもトリコもあまり失うものはないようなので相変わらず多そうですし。
2007年7月27日フライデーナイトマジック 1位 村山
ソーラーフレア
このFNMから10版が解禁。そして優勝したのはソーラーフレア。
このデッキが9版落ちで失ったのは《ゾンビ化/Zombify》と《迫害/Persecute》。
《ゾンビ化》は《蘇生/Resurrection》、《戦慄の復活/Dread Return》、《影武者/Body Double》と代打がひしめくなか《不穏の標/Beacon of Unrest》を選択したようです。
相手の墓地からも釣れるし、アーティファクトだって釣れてひょっとしたら何回も撃てるかもという点が評価ということでしょうか?とはいえ枚数は一枚と控えめなので釣り上げ戦略はあまり重視してないのかもしれません。
《迫害》は代打を起用せず、《信仰の足枷/Faith's Fetters》を追加して除去のスロットに回したみたいです。
この辺のスロットをどう埋めるかが構築力を問われるポイントになりそうですね。
2007年7月29日基本セット10版解禁パーティー 優勝 真ガポール
GUWブリンク
ブリンクは白と青までは確定、3色目に赤と緑と黒のどれにするかで割れるところですが県内だと赤が圧倒的に多くて土地破壊に行くことがほとんど。
その中では珍しく緑に行ったのがこのデッキ。
この色の組み合わせだとパーマネントへの対処力の低さが問題になるわけですが、その代わり《神秘の蛇/Mystic Snake》で呪文を連打で打ち消すソフトロックに近い状態に持っていけるのがコントロール相手には魅力。
《信仰の足枷/Faith's Fetters》と《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》という実戦級のライフゲインカードを大量に積めるのでビートダウン相手にはそちらで対処。
なかなか受けの広いデッキのようです。
2007年7月29日基本セット10版解禁パーティー 2位 よなしょー
黒単ビートダウン
こちらはすごく懐かしい《不吉の月/Bad Moon》まで搭載した黒単ビートダウン。
《黒き剣の継承者コーラシュ/Korlash, Heir to Blackblade》の4マナまで展開するのでウィニーと呼ぶには少々重いデッキ。なのでビートダウンとしましたが、内容は昔ながらの黒単ウィニーそのもの。
生物を並べて《不吉の月/Bad Moon》。
1マナ圏の生物のスペックが昔とは比較にならないほど殴り値が低いんですが、引き換えに除去能力は上がってるのでクリーチャー戦に関して言えばおさおさ見劣りしないはず。
あとデッキの半分くらいはゾンビでできているので《アンデッドの王/Lord of the Undead》が5枚目の《不吉の月》として機能したり、《コーラシュ》を何回も壮大させたりといい働きを見せてくれるかもしれません。
10版環境になった間もないため、まだデッキ全体が手探りという感じですが大きな波として来ているのが「ライフゲイン」。
赤単などが成果を出した結果を受けてか、ライフゲインデッキでビートダウンを封じ込めようというコンセプトのデッキが増えてます。ビートダウンにとっては向かい風です。ちなみにアレだけ成果を出してたトリコロールもこっそりと巻き込まれて沈んでいる模様。
トリコは自分より遅いデッキ相手にはビートダウンデッキとして振舞うことになるので一緒に駆逐されているようです。
2007年8月3日フライデーナイトマジック 1位 真ガポール
ゴブリンストーム
《煮えたぎる歌/Seething Song》の退場に伴いドラゴンストームは環境から消えたんですが、ゴブリンストームは形を変えて生き残っているようで。
以前ほどマナが出なくなったのでコストの軽いエンドカードとして《ぶどう弾/Grapeshot》。
でもこれだとストームを19は稼がないと勝てない、そんな高いハードルをグッと下げてくれるのが《紅蓮術士の刈り痕/Pyromancer's Swath》。
ターン終了時に手札を全部捨てなきゃいけないというかなりキツいデメリットがついてますが、ストーム6で話が済むのはいい話。
以前よりも安定性が落ちた感じは否めませんが、ナルコブリッジに逆風が吹いているのを考えると一番扱い易いコンボデッキなのかもしれません。
2007年8月3日基本セット10版解禁パーティー 優勝 骨皮@チームUK
赤単スライ
もう何回目になるかわかりませんがとあえず言っとこうか「漢の赤単」。
しかし、これ以前に抜けた赤単系デッキとは違って《嵐の精体》は投入されてません。
ものすごくストレートに殴る+燃やすを実行するデッキです。デッキとしての安定感はこちらの方が上か。
その分、爆発力には欠けて読める範囲でダメージを稼いでいく他ないデッキなんですが、最近ブリンクトリコなどバウンスが環境に増えているのを考えると《精体》型よりこちらの方が環境的に楽に戦えそうではあります。
2007年8月3日基本セット10版解禁パーティー 2位 壱@HAMA研
RBメガハンデス
ひたすら手札破壊。
この手のデッキは最近だと緑をタッチして《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を投入する形が多いですが、、このデッキはタッチ赤で《溶岩生まれの詩神/Lavaborn Muse》を突っ込んで8ラックとでも呼ぶべきデッキになってます。
手札破壊をストレートに勝ち手段に繋げているという意味では面白いアプローチです。
ピンポイント除去に《恐怖/Terror》を積んでいるのはそれこそ相手の《タルモゴイフ》や《稲妻の天使》をピンポイントで叩き落すため。
個人的には《闇の腹心》でめくれても痛くない《殺戮の契約》の方が好きなんですが、どちらがデッキに合っているのかは製作者に聞いてみないよちょっとわからない。
予選も終盤戦に入ってきました。
環境が変わってからいろんなデッキが出てきてますね。
それこそ週ごとにメタが変わっている感じです。
来週はどんなデッキが出てくるんでしょうか?
2007年8月10日フライデーナイトマジック 1位 けんつよ
ガルガステロ
厳密な意味ではステロイドとは言えないかも知れませんが、一応ステロということで。
《タルモゴイフ》や《トロールの苦行者》といった高品質クリーチャーを豊富な火力でバックアップ。
《大いなるガルガドン》は《稲妻のらせん》に対応してクリーチャーをサクったり、余った土地を墓地に落として《タルモゴイフ》のサイズアップに貢献したり、相手のデッキ次第ではそのままゲーム終了に持っていけるクリーチャーでもあります。
効率のいいカードを集めてシンプルに組まれています。
2007年8月12日アリーナリーグ 優勝 naoto.c
リアニメイト
9版から10版への切り替えで大きな影響を被ったのがナルコブリッジ。
赤系のデッキが挙って《モグの狂信者》を積むようになってからは《黄泉からの橋》がリムーブされ易くなり、前にも増してコンボ成立が難しくなりました。
で、コンボが決まりそうにないときの予備の勝ち手段としてデカブツをデッキに何枚か入れておき、そいつらを一本釣りして勝つプランが採用されることが多くなっていたわけですが、「コンボが決まらないならば外しちゃえばいいじゃない」とばかりに古式ゆかしい大物一本釣りリアニメイトに立ち返ったのがこのデッキ。
釣り上げ候補は「場に出るだけで仕事している2大巨頭」と追加で《魅力的な執政官》。
《一瞬の平和》で使いまわすエンジンも採用された面白い仕上がりになってます。
2007年8月12日アリーナリーグ 2位 AKA
トリコロール
またもやトリコロール。
トロンがいなくなった恩恵を満喫中なのか、順調に結果を残しています。
ソーラーフレアも恩恵を受けているデッキの一つのハズですが、県内では赤単かそれに準じるビートダウンの勢力が大きいため、《稲妻のらせん》を積めるトリコロールの方が選択されているようです。
ライフゲイン手段が多く積め、早いターンから展開できる《稲妻の天使》を擁し、《月の大魔術師》の被害がソーラーフレアに比べて薄い、など赤への耐性が評価されての人気かと。
5マナ圏に《剃刀毛のマスティコア》を採用しているのがこのデッキのチャームポイント。
2007年8月17日フライデーナイトマジック 1位 かに
ナルコブリッジ
赤いデッキが増えたことでワリを喰ってる感じのするナルコブリッジですが、アレはいないとメタから切られてサイドボードから対策カードが抜かれれば途端に火を吹くのがこの手のデッキの常。
赤との相性はかなり悪いですが、引きが伴えば一本釣りで勝てたり、マナさえ伸びれば巨大な《ゴルガリの墓トロール》で場を制圧できたり。
トリコなどへの相性は元々いいので、メタ次第ではまだまだやれるデッキの一つでしょう。
しかし県内に限って言えば赤スライ系のデッキが増え、ガルガステロも使用者増加の傾向で推移しているので当分向かい風が強いことは確か。
2007年8月17日フライデーナイトマジック 2位 TOMMY@HAMA研
ボロス
《硫黄の精霊/Sulfur Elemental》が環境に蔓延るようになってからは駆逐されたボロスですが、10版への移り変わりでその強みだった《サバンナ・ライオン》を失ってさらに寂しいことに。
メインカラーを赤に移すことでその辺を解決してみようというのがこのデッキのコンセプトかと思われますが、何しろ構成が独特。
RRとWWのマナコストを要求するクリーチャーが同マナ域に共存していますが、WWを要求する生物は実質4ターン以降の生物として扱っているような印象を受けます。
しかしどこまでいっても独特すぎて、使った当人に聞いてみないとわからないことがいっぱいありますね。
以上が約一ヶ月に渡ったHAMASAI9の予選通過デッキ全て。
全体にビートダウンの傾向が見られるのは、全勝よりも上位入賞でとりあえず予選通過を目指すプレイヤーが多かったためかと。
それをメタってトリコロールが増えるのも納得。
基本的にこの二つを軸に話が展開していった感じですね。

HAMASAIはもう決勝も終了しましたが、日本選手権以降はその結果を受けて県内のデッキの傾向も変化していくと思われます。
ラヴニカブロックのスタンダード落ちが視野に入ってくる時期になりましたが、これからまだしばらくは環境が動いていくのではないでしょうか?